皆さんは「指定管理者制度」って知っていますか?
【松戸市の指定管理者の選定に思うこと】
今回、12月の常任委員会で気になったのは「指定管理者制度」についてです。
指定管理者制度は、多様化する住民ニーズに効果的・効率的に対応するため、民間ノウハウを活用し、住民サービスの向上と経費の削減等を図ることを目的として、民間事業者等も公の施設の管理を行うことができることとした制度です。
指定管理者制度とは(松戸市ホームページより)
今回、健康福祉常任委員会では議案第57号として
「指定管理者の指定について(松戸市北山会館)」
教育環境常任委員会では議案第53号として
「指定管理者の指定について(まつど市民活動サポートセンター」
が議題に上がりました。それぞれが指定期間の満了によるものでした。
それぞれ、傍聴者にも分厚い参考資料は配布(持ち帰り可)され、どのような経緯で指定管理者に至ったかもわかり、ありがたかったです。(以下画像は、参考資料の一部抜粋)
◆北山会館(斎場)
今回、管理者に名乗りを上げたのは2社。比較検討は有識者や関係者の評価により北山会館の指定管理者は4期継続の松戸葬祭業協同組合になりました。
⇒傍聴して分かったのは、選定には選ばれた審査委員(内部と外部)が居て、指定管理者候補者審査委員会で審議されているという事。特に北山会館はすでに16年間同じ業者ではあるが、4年に一度このように審議がされていることはとても重要だと感じました。 会議内の質疑で、委員より「今後の人件費について」質問があったが、答弁で「4年間賃金の上昇はない」という部分が少し気になりました。
ここ数年、コロナ感染症の影響もあり斎場に関わる人員の環境変化や精神的負担はこれから変わっていくこともあるのでは?指定管理者制度が行政のコストカットにならないように、と指摘された委員も居たこともあり、個人的にこの制度について少し考えさせられました。
◆まつど市民活動サポートセンター
今回、管理者への名乗りを上げたのは1社のみ。
現状の管理者の特定非営利法人まつどNPO協議会となりました。
⇒前日の北山会館同様に、選ばれた審査委員によって2回の審議があり、審議の結果は基準を上回るために採用となったが、管理経費の点については答申に付す付帯意見として申請者との協議する旨の記載があり。
委員会内での委員からの質疑で分かったのは「市民サポートセンター」という特殊な業務は市の直営では難しくスキルのある人材で運営されていること。
共産党の嶋村委員が「指定管理制度が行政のコストカットの手段になってはならない」ということを当時の総務大臣の言葉を引用して説明されていたのがわかりやすく印象的でした。
また、市民クラブの鈴木大介委員も、当センターの市民からの高い評価や松戸市へ市民活動の貢献度など個人的な感想を述べた上で「指定管理だから効率化やコストカットをすすめるのではなく、より質の高い市民サービスが提供されるならコストがかかっても良いのでは」との意見もありました。
※その場で聞いていた内容への個人的な感想なので、ニュアンスに違いがあったらご指摘ください。
今回の傍聴では「指定管理者制度」について改めて考えるきっかけとなりました。「指定管理者制度」にはメリットやデメリット、それに伴う考え方があり、指定管理に向く施設とそうでない施設などもあることがわかってきました。
2003年に地方自治法の改正により指定管理者制度が開始されたが、現場のメリット・デメリットも鑑み、今後も議会でしっかり判断して欲しいと思いました。 また、市としても指定した施設管理者に任せきりではなく、広く市民からの意見や要望などを集め、よりよい施設の運営へ反映されるような仕組みなども検討してもらえたらとも感じました。
(富田)