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タイドラマ「Turn Left, Turn Right / ターンレフト・ターンライト」(2020年)GMMTV キャストとあらすじ

2023.01.22 03:05

おすすめ度:★★★☆☆ ノスタルジックなバーで突然巡ってきた奇妙なセカンド・チャンス


GMMTVのタイドラマ「Turn Left, Turn Right / ターンレフト・ターンライト」(2020年)を観ました!ある日、ノスタルジックな雰囲気のバー「Somewhere only we know」で出会った3人の男性が、今も引きずる心の傷について世にも奇妙な人生のやり直しを体験。哀愁漂う数々のすれ違いシーンとともに、心に引っかかってなかなか受け入れることのできない「後悔」と「もうひとつの選択肢」を描いたストーリー。大人気俳優のシントーとナノンが、ほかの作品ではあまり見ない少し影のある役柄を演じています。


バーで出会った3人の男

哀愁漂う静かなバー「Somewhere only we know」。ここである日、思うようにいかない人生に悩むパット、ガン、タイの3人が出会う。思い詰めた表情の彼らにビールを振る舞うバーのマスターは「もし人生をやり直すことができたらどうするか」と聞く。そう、これは世にも不思議な「セカンド・チャンス」の物語。


ビールを飲んだとたんに頭痛とめまいに襲われ、倒れ込む3人。目が覚めると、人生の岐路に立たされたあの日、「戻りたい」と思っていた「あの瞬間」に時間が戻っていた。バーのマスターに「3人で支え合うように」と言われ、ここから3人の不思議な「人生のやり直し」が始まります。


嘘でもいいから想いを叶えたいパット

広告会社でデザインの仕事をしているパットには、ずっと片想いの女性ティシャがいた。2人いつもケンカばかりしていたが、それは仕事に真剣に向き合っている証拠。パットはそんな彼女にいつか「好きだ」と言うつもりでいた。しかし、ある日突然、ティシャに会社を辞めると告げられる。


その夜、タクシーを待つティシャに、パットは「好きだ」と告げる。その瞬間、驚いて車道に立ち止まってしまったティシャは交通事故に遭い、一時的な記憶喪失に。それどころか、ティシャはパットのことを長年付き合っている彼氏だと勘違い。婚約者ギャップとイギリスに行く直前だったティシャの運命が狂い出し、パットはティシャが記憶を失っている間だけでも彼氏でいたいと願ってしまう。


良心の呵責から婚約者ギャップがいることをティシャに理解させようとしたパット。当然、その後は悲しい別れが待っていた。しかし、その後悔から立ち直れないパットは、バーで巡ってきたセカンド・チャンスで、記憶喪失を利用して「ティシャの彼氏を演じる」というもう一つの選択肢を選んでしまう。良心と罪悪感に苦しむパット役をビーム・カウィー・タンジャララックが演じています。


現実よりも運命の出会いに賭けるガン

プロのバイオリニストを目指しているガンはある日、映画の脚本家を目指しているアイに出会う。運命を感じ、徐々に惹かれていくガンとアイ。仕事で台湾に拠点を移すアイは「一緒にいかないか」とガンに切り出すも、ガンはバンコクで現実に向きあう必要があると告げてしまう。


この決断を悔やんでならないガンは、バーで突然巡ってきたセカンド・チャンスに台湾行きを決意。アイを追いかけて、台北に行き、バイオリニストとしてチャレンジするもうひとつの選択肢を選ぶことに。ガン役をシントー・プラチャヤー・レァーンロード(Singto Prachaya Ruangroj)が演じています。


進路選択と恋愛の間で苦悶するタイ

大学進学を控えたタイは、将来の進路選択に向けた岐路に立たされていた。粘土彫刻が好きで、チェンマイの美術大学に進みたいと思っていたにもかかわらず、厳しい父親の強い希望と高校時代からの彼女ヌアの志望先を優先し、マーケティング専攻に進学先を変えたタイ。自分がやりたいことと、周りが自分に望むことの落差に揺れていた。


父親には反発し、彼女とはケンカばかりの日々に大きなストレスと苦悩を抱えるタイ。そして、ついに別れ話に発展してしまう始末。そんなタイは、バーで巡ってきたセカンド・チャンスにもっと前向きなやり直しを誓う。進路選択の帰路に立つタイ役をナノン・コーラパット・クッパン(Nanon Korapat Kirdpan)が演じています。


原作はジミー・リャオ著「向左走. 向右走」

ガンとアイの物語の中で、アイが脚本に取り入れる絵本として登場するのが台湾の絵本作家ジミー・リャオ著の「向左走. 向右走」。この絵本がもとになってドラマ化されたのだそう。絵本が原作といっても、このドラマは全体的にファンタジーというよりミステリーといった感じの作品です。ちなみに、香港スター・金城武さん主演で映画化もされているみたいです。


やり直せたら、必ずハッピーエンドが待っているのか?

パット、ガン、タイのセカンド・チャンスは、それぞれが思い描いたもう一つの方向へと動き出していきますが、中でも一番難しい選択をしてしまったのがパット。記憶喪失のティシャが自分を彼氏だと思い込んでいる間に、それを既成の事実にしてしまおうと、婚約者ギャップとの写真やFacebookの投稿を勝手に削除してしまう…。


「この世界には簡単に消せるものと、そうでないがある」と警告するバーのマスター。データはボタンひとつで消すことができたとしても、ティシャの周りにいる人々がこれまで見聞きしたことは、なかったことにはできない…。そして、徐々に大きくなる「造られた記憶」と「事実」の歪み…。果たしてパットの選択は正しかったのか…。


ガンはビールを飲んで手にしたセカンド・チャンスで台湾に行き、台北に暮らすアイを探し当て一緒に人生の新たなスタートを切るも、2人の関係はいつもギクシャク。すぐに口論になり、アイはガンに「別れよう」と告げる。こんなことなら、台湾行きを断ったまま別れたほうがずっとマシだった。しかも、この展開はアイが脚本を書くために仕向けた「シナリオ」だった…


タイの場合はもっと悲劇的。芸術大学で学生生活をやり直し、新しくできた彼女アーンともうまくやってきていた。しかし、別の女の子に二股(本当は三股!)をかけたことがバレてしまい修羅場に。しかも、そのタイミングで発覚するアーンの妊娠。アーンはこのまま産んで、赤ちゃんを連れて実家に話をしにいくという…。強い覚悟ができていないタイは動揺する…。


あの日、あの瞬間に戻れたら

大きな後悔をした時、「あの日、あの瞬間に戻れたら…」と人は願うけど、人生は「二択クイズ」や「マルバツゲーム」のようにはいかない。いざ戻ったからといって、もう一つの選択肢を選んだからといって、それがハッピーエンドとは限らない。


どちらかが正解で、もう一方が不正解ならいいけれど、そんな簡単でわかりやすい人生どこにもない。むしろ、どんでもない結末が待っていることだってある…。


セカンド・チャンスを得た世界で、パットはティシャに嘘で記憶を書き換えようとしたことがバレてしまった…。ガンは台湾まで追いかけた彼女に最低最悪の形で裏切られてしまった…。タイは彼女を傷つけ、自力では背負えないほどの責任を負ってしまった…。


セカンド・チャンス

「何かに後悔する人は、どちらの選択肢をとったとしても、結果的に必ず後悔する」(逆もまた然り)というのを聞いたことがありますが、人生に正解も不正解もない以上、選択肢そのもの以上にそれをどう捉えるかのほうがが大事なのかもしれません。


このドラマのOST「セカンド・チャンス」(そのまま!)を歌っているのが「もうひとりのシントー」のシントー・ヌムチョック(Singto Numchoke)。バー「Somewhere only we know」のマスター役でドラマにも登場しています。


「セカンド・チャンスをあげるよ。人生はいつだって君のもの」という歌詞の通り、岐路に立たされた時、決めるのはいつだって自分。右へ行っても、左へ行っても、それが人生。セカンド・チャンスは願うものではなく、自分の手で掴むもの。


あわせて観たい作品

「人生をやり直せたら…」というコンセプトのストーリーでとってもおすすめなのが、同じくGMMTVのタイドラマ「55:15 NEVER TOO LATE」(2021年)。ある日目が覚めたら55歳から15歳になっていた5人の青春やり直しドラマ!このドラマもナノンが主役のひとりを演じています。