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さいはてたい

2023.01.23 05:45

いつか、いつか、いつかと思いながら、

その機を計りすぎ、だからといって、今、

その機という特段の理由はないのですが、

『さいはてたい』について綴りたいと思います。

2021年10月、文芸社文庫から発売されました。

あれから、1年と3か月。

時折、文芸社企画編集室さんのTwitter「既刊紹介」で、

取り上げていただき、心からうれしく感謝しています。

2009年の初版『さいはてたい』は、テレビドラマ化という、

夢のような現実を経て、次の夢や希望が芽生えました。

本作は、3年後を描いた『それから』を

書き下ろし収録させていただきました。

初版から10年以上の時が経ち、

「認知症」や「介護」に対する国や世間の発信や取り組みも、

私自身の心の持ち様も大きく変わったように思います。


『さいはてたい』

本書を紹介してくださるとき、また、声をかけてくださるとき、

「認知症の小説」「介護の小説」とカテゴリー化されます。

確かに、そうです。そのとおりなのです。

「認知症」や「介護」を通じて、「家族」を描き、

主要人物の仁、睦美さん、響子さんだけではなく、

登場人物すべての人に、

『ひとりで抱え込まないで』と声をかけながら、

一進一退、編集者Kさんにご助言をいただき、

あきらめることなく、綴り遂げました。

それは読んでくださる方々へも同じ気持ちで、

感想を知り、伝わっていたことがわかると、

不確かなものが形ある情景へと満ち溢れていきます。


どの立場なのかわからないし、

すべての人ではないですが、

「認知症」や「介護」は、日常生活のなかに現れます。

主人公の仁は、『それから』

”花”が癒しをもたらすようになった。

愛する人は画面越しの他人になった。

下北沢の向かう先はライブハウスではなくなった。

日々は常で常じゃない。

心は動く。心は止まる。心は躍る。

不規則に繰り返して、日常は変わっていく。

そして、仁は「睦美の今」を歌に込めた。

いつの時代に憧れ帰るの?

会いたい人はそばにいますか。

遠く見つめた、空の彼方に、

愛しい日々の答えがある。


『さいはてたい』

終生、私は愛し続ける。

どうぞ、あなたの愛しい日々を描き続けてください。

もしも、そのカケラになれば、

この上ない喜びです。