麻疹が流行中①
最近台湾でも麻疹(はしか)が流行していると報道されています。4月21日現在、22例の麻疹患者の報告があり、そのうち15例が台湾国内感染、7例が国外からの持ち込み感染であるとのこと(台灣衛生福利部疾病管制署のHPより)。幸い、2018年4月23日現在、台中市内では麻疹感染者の報告はありません。麻疹の症状については「麻疹が流行中②」をご覧ください。
台湾では、生後満12ヶ月と小学校入学前の2回公費でMMR(麻疹・おたふく風邪・風疹)のワクチン接種が義務付けられています。しかし、ワクチンの抗体価は一生続くわけではない(効果持続は約10年前後、個人差あり)ので、大人になってからかかってしまうことが考えられます。生後9ヶ月くらいまでは母体からの移行免疫で感染する確率は低いので、発症例は1歳代が最多で、次に6−11ヶ月、2歳と続きます。その次にワクチンによる免疫効果の減弱した10−20歳代が多いと報告されています。
麻疹は感染力が非常に強く、接触感染・飛沫感染以外にも空気感染により、マスク装着・手洗いのみでの予防はできないと考えられています。例えば、飛行機に乗っていてその中に麻疹感染者がいる場合、麻疹抗体価の低い人は感染してしまうというようなイメージです。それゆえに、一番効果のある予防法は予防接種です。
台湾衛生署は、現在医療機関に勤務する人、海外旅行に行く人、抵抗力の弱い人(高齢者、基礎疾患のある成人)に麻疹の予防接種を推奨しています。現在、台湾では麻疹単独のワクチン接種ができる施設は少なく、おおむねMMR(麻疹・おたふく風邪・風疹)の接種となります。本日調べてみたところ、自費接種の場合約600〜800元+掛號費が多いようです。
台中市でMMR自費接種を提供している医療施設(2018年4月23日現在)
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現在、MMRワクチンが品薄な状態にありますので、当該医院にワクチンがあるかどうか電話で確認してから受診される事おすすめします。
ご自身の麻疹の抗体価を調べたい場合は、家庭医学科や内科、旅行門診にて採血による検査をします。抗体価が低い事を確認しなくても、MMRを接種することは可能です。注意点として、MMRは生ワクチンなので、次に生ワクチンを接種する場合は四週間の間隔を開けること、接種後3ヶ月は妊娠を避けましょう。