心とは、
心があるとかないとか、心が強いとか弱いとか、どうすれば心が鍛えられるかとか、心って何なのでしょう。
神秘を脇に置いた1つの捉え方として、脳研究者・池谷裕二(いけがや ゆうじ)さんの
「心とは、脳が活動している状態のこと」
という表現になるほどと思いました。
心とは脳のプロセス上の産物にほかならない。つまり、心は脳が活動している状態を指す。物体ではない。脳を細分化しても心はどこにも見出せないだろう。車を部品に解体したところで、「スピード」というものがどこにも現れないのとおなじことである。スピードは車の動きの状態のことだ。
ということは、脳神経回路の繋がり方、働き方次第で心は変わる。
脳のシナプスは使っているうちにどんどんネットワークが変化していくので、脳の活動も心の傾向も変化するということになりそうです。
パソコンのメモリを増設したらパフォーマンスが向上するように、人間の脳も使える領域が増えると思考も心も強くなれそうな気がします。
一緒に並んで走ることを「並走」といいますが、競馬の世界では「併走」と書くのだそうです。
2頭以上の馬を横に並ばせてスピードを合わせて走らせることにより、馬本来の闘争本能を引き出すよう調教することを‘併せ馬’というところから。
勉強やスポーツなどでも、競わせて伸ばそうとする指導者がいらっしゃいますが、私は苦手だったな…。
フェラーリと軽トラが併走するのは無理がありそうです。
どちらが良いとか悪いとか高級とか安物とかではなく、得意が違って、スピードの現れ方も違う。
親子・兄弟姉妹も同じではないでしょうか。
同じメーカー(DNA)でも、組み上がった車種(肉体的な現れ方)は違うし、それを運転するドライバー(魂)の出身地は遠く別々のところかもしれません。
すると当然、スピードの現れ方も好みも変わってくるし、積める荷物も目的地も違います。
そう心得てみると、家族ゆえの併走トラブルも減りませんかねぇ。
思考も感情も心も脳が活動して生み出されるように思いますが、それらが常に一致するとは限りません。
頭で解っていても、心が受け付けない、更には体も動かない。
感情が「No!」と言っても、心の奥深いところが揺さぶられ突き動かされることもある。
「スピードは車の動きの状態」=「心は脳が活動している状態」だとすれば、なぜ動くのだろう?動かしているのは誰だろう?原動力は何だろう?と、神秘を感じずにはいられないのです。
個人的には、心があるから脳も活動しているような気がしています。