「大正ロマン 昭和モダン -竹久夢二・高畠華宵とその時代ー」
神戸市東灘区、六甲アイランドにあるこの建物
入り口入って右側にあるのが神戸ファッション美術館です。
(ちなみに左側は神戸ゆかりの美術館です。)
※取材でうかがい、会場内は許可を得て撮影しています。転載転用はご遠慮下さい。
「大正ロマン 昭和モダン」展
の会場です。
大正から昭和初期にかけての30年は、日本文化と西洋文化が交じり合い、新しい大衆文化が花開いた時期でした。
私にとっては「ハイカラさんが通る」のイメージでしょうか。
武家社会の名残もある中で、西洋化により女性が近代的な美しさを持ち始めたころ。
この展覧会では、竹久夢二・高畠華宵を中心に、大正から昭和にかけて活躍した画家たちの作品約200点が展示されています。
高畠華宵(1888~1966)
幻想的で華麗なファッションは、まるで舞台を見ているような気持になります。
竹久夢二(1884~1934)
抒情的な女性像で一世を風靡したのは竹久夢二。彼自身恋多き青年でした。
下の作品、一番右のハイカラな男性が夢二。では二人の女性は?
1人は妻のタマキ、もう一人は19歳の彦乃。いわゆる三角関係だったそうです。
竹久夢二《港屋絵草子店(港屋版)》大正三年
夢二は、「セノオ楽譜」の表紙や「婦人グラフ」の表紙や挿絵も手掛けました。
中原淳一(1913~1983)
夢二、華宵の次の時代、少女雑誌の挿絵で爆発的な人気を得たのが中原淳一でした。
こぼれ落ちそうな大きな瞳、ロマンティックなファッション。
そして、、日本情緒たっぷりの着物姿の乙女。
中原淳一は「美しく生きる」「夢を奏でる」「ファッションを創る」をモットーにしていました。
ファンの趣向や流行をいち早くキャッチし、絵の創作活動だけでなく、ファンシーショップ「ひまわり」を開店し、少女たちが好むノートや便箋、トランプや版画などを発売しました。
この他にも、大きな瞳にふっくらした顔立ちのチャーミングな女性を描いた松本かつぢ、
↑ 松本かつぢ 《ばらの少女(原画)》
目に特徴のある小早川清
「挿絵やイラスト」に登場する女性は、モダンで華やか、当時の流行最先端ファッションに身を包み
浮世絵の流れをうけつぐ「風俗日本画」や、伝統版画を盛り返そうという「新版画」には、伝統的で楚々とした中にも、ハイカラ、モダンな雰囲気もあります。
会場は、個性的な女性たちがひしめき合っています。
「大正ロマン 昭和モダン -竹久夢二・高畠華宵とその時代-」展は
神戸ファッション美術館で、7月1日(日)まで開かれています。