Ameba Ownd

アプリで簡単、無料ホームページ作成

キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

第4回十字軍9-決裂、再戦、再奪取

2018.04.27 11:53

即位したアレクシオス4世は一応約束を実行しようとはしたらしい。しかし何ぶん個人的約束で、国民は一切知らない。金を出そうにも、もはや国庫にそれだけの金は残っていなかった。ましてやカトリックに改宗などできるわけもない、だいたいわかっていたはずじゃん。となれば、彼は十字軍を裏切ることにした。

11月14日、皇帝とヴェネツィア元首との会談が行われたが、皇帝はあっさり「これ以上約束を果たすことはできないからでてってくれ」と言ったので、会談は決裂し、また十字軍は攻撃準備に移った。しかし十字軍も裏切ったら何の後ろ盾もない。翌1204年2月、追放された皇帝の義理の息子「げじげじ眉」のムルツフロスがクーデターで新皇帝を殺害した。

ムルツフロスはアレクシオス5世として戴冠し、前皇帝の約束を完全に反故にしてしまった。十字軍側は、5世を皇帝簒奪者として、同行していた3人の司教が「聖戦」を宣言し、第2次包囲戦が始まった。

ビザンチンもこの間防衛力を高め、低い城壁の上に、木の塔をつくって強化をしていた。これに対して十字軍は、帆柱の上に横木を渡して、これで塔にとりつこうとした。大波が来たとき、それは塔にまで届き、兵士が侵入。激戦の上で塔を占拠して、次々に塔が十字軍の手におちていった。

下は横木をつたって侵入する十字軍