種子法から地球の未来を考える
先日参加しました「ふるさと創成の会」の講演、「種子法廃止をうけて、今、我々に何ができるか?」を聞いて私が思う事から地球の未来を考えていきます。
まず種子法とは何か?
種子法とは、戦中・戦後の混乱で国家的に種取りが機能停止し、種子の品質の低下から生産体制の立て直しが必要であった時代背景から、国民の作物の困窮を無くし、安定的に生産を得るための法律です 。
その種子法が2018年3月末で廃止。
それにはどういった意味が含まれているのでしょうか?
現在の日本で、スーパー等に行くと並んでるお野菜はどれも均一で形も整っているものばかりですが、これにはF1(一代雑種)という種が使われているそうなのです。
別の種類と掛け合わせたいわゆる“雑種”は強く元気に育つという性質があります。
この種はその名の通り、種を植えて作物が獲れたらそれで終わり。
種が取れても種の遺伝子の関係から同じ形や味のものができにくいのでその種が使われることはありません。
そのF1のメカニズムには、「雄性不稔」が関係しています。
通常植物は雄しべと雌しべによって受粉します。しかしそれでは別の植物との“雑種”(F1)はできません。
「雄性不稔」の発見は偶然の結果です。これは受粉する性質を持たない突然変異種のことで、勝手に受粉しないことから雑種が作りやすくなり、広まりました。
こうして広まったF1種ですが、ある地域のミツバチが大量失踪したのはこの雄性不稔種の花粉を取り続けていたからではないか?と言われているそうです。
偶然なことに人間の精子の数も1940年代から現在を比べると半分以下になっている、というお話もありました。
この話は実証されたものではなく、あくまで説ではありますが、とても気になる話ですよね。
日本人は均一性・安定性、そういったものを好む性質があるような気がします。
しかし昔の野菜は、色や味ももっと強く、形も不揃いなものが多かったはず。
それは「固定種」であったからだと言えます。
固定種の野菜には均一性はありませんが、手をかけて育てればその分が反映されます。
固定種から採れた種をまた植えることもできます。
講演の中で「家庭菜園から始めてみよう」とお話がありました。
まずは育ててみて、大変さも感じながら最後に収穫した物を食す、
そうすると実際に作られている農家への気持ちが変わり、野菜価値も上がる、
自分の“本物志向”を求める価値観も変わる。
意識を変える・高めるには実践が必要かもしれません。
昨今の食の品質への高まりは多くの人が感じていることと思いますが、
遺伝子レベル、つまりF1種についても気にしなければならない時代が来たんだと種子法廃止と、現在の種の供給状況(種は海外から全体の約8割を輸入しています)から感じました。
「未来に向けて何ができるのか」この言葉を講師の方がおっしゃられていました。
これはこのHPのテーマや弊社事業にも通じるものがあります。
人間の未来を考えた時、口にするものから生殖機能に影響を受け、ミツバチと同じように消えてしまわないか。
人間の未来を考えた時、温暖化はさらに進み地球に住めるような環境でなくなってしまわないか。
極論ですが、一つの可能性として考えた時、誰もが全否定はできないはず。
アプローチの仕方こそそれぞれですが、一人ひとりが未来に残したいものを考えていければ今を生きる私たちの行動もそれに沿ったものになることを強く感じた講演でした。
Higuma