生物多様性から地球の未来を考える
生物多様性、それは生きとし生けるすべての生命体の繋がりを指します。
今回はそんな生物多様性について考えていきます。
地球上にはさまざまな環境に適応した多くの生き物が存在しています。もちろんこれには人間も含まれており、昔はそれぞれの環境に適した暮らしをし、土地特有の食べ物を得て生きていました。それと同じように、微生物から昆虫、動物、植物まで全ての生き物がその土地に合った生活を営んでいたのです。
ここには生態系が重要な関りとしてありますが、皆さん「生態系サービス」という言葉を聞いたことがありますか?
「生態系サ―ビス」というのは生物多様性から与えられる恵みのことです。
そのサービスの1つとして、光合成による酸素の生成や水の循環、土壌形成などがありますが、これらは生物多様性の基盤であり、生態系が守られる一番重要なところであると私は考えています。
そうするとやはり出てくるのは「地球温暖化」問題。
地球温暖化により生物多様性は急激に減少しており、それと比例して私たちが受けている生きる上で必要な「生態系サービス」(恩恵)も失われつつあるのです。
この根源は、私たち人間の経済成長や文化的活動の変化によるものが大きいです。
温暖化は気温・水温の上昇により元々そこに住んでいた生き物が暮らせなくなります。植物は枯れ、二酸化酸素も吸収できなくなります。吸収できなくなると大気中の二酸化炭素はどんどん増え続け、また温度は上昇・・・悪循環ですね。
さらに追い打ちをかけるように、国際的な経済の成長による二酸化炭素の排出もどんどん増えています。
生態系はどこかが崩れると全てがずれていきます。また、はみ出し過ぎると異常気象などの様にしっぺ返しも来ます。
弊社が植えているマングローブを例に挙げてみます。
マングローブは分かりやすい生物多様性の宝庫です。
このように根が入り組んでいるので、小魚たちのシェルターの役割を果たしています。
大きな魚が入ってこれないので安心できる場所なのです。
また、マングローブの葉が水面に落ちると、それを分解しようとプランクトンが集まり、それを食べようと魚が寄ってきます。
そうして集まった魚を収穫することで人間も「生態系サービス」を受けています。
さらにマングローブは二酸化炭素の吸収量が(個体差はありますが)多い植物です。光合成をし酸素ももちろん生み出しています。
私たち人間は「生態系サービス」を受ける立場(享受者)であることが多い一方、
マングローブは多くの「生態系サービス」の提供をしている存在と言えます!
そしてマングローブだけではなく、全ての植物がそれを提供している立場です。
マングローブに隠れ住みプランクトンを食べる魚たちの様に、植物から木の実を取って食べる動物、木の上に暮らす動物、森林と共に生きている昆虫や爬虫類など、数えきれないほどの生物多様性を守る役割を森林は担っています。
多様性の失われた地球はどんな道をたどっていくのか想像をしてみると、物資は不足し、少ない資源を奪い合い、貧困地域はさらに広がり、平和な世界からどんどん遠のいていくのが目に浮かびます。
私たちに恵みを与えてくれる生物多様性はそれぞれ独立して生きているのではなく、全ては繋がりがあってこそのものなんだという事うを忘れていませんか?
人同士も支えあって日々生活をしています。種を超えてもそういった気持ちを持つべきなのではないでしょうか。
Higuma