東京医科歯科大学腎臓内科様よりクラウドファンディングについてご案内
東京医科歯科大学腎臓内科様より、遺伝子解析に関わるクラウドファンディングのご協力依頼をいただきました。下記のアドレスからアクセスください。
本クラウドファンディングの責任者の森様、蘇原様より、ネフローゼ症候群患者会向けに詳細のご説明をいただきました。下記、その概要をQAの方式でまとめました。ぜひ、ご参考にされてください。遺伝子研究が一歩でも前に進むように、ご支援をいただけると幸いです。
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Q. CKDの少なくとも10人に1人は遺伝性腎疾患と判明しているとのことですが、CKDの定義にはネフローゼ症候群は入りますか?
A. はい。CKDとは慢性腎臓病を指す言葉です。ネフローゼ症候群も定義に入ります。
Q.ネフローゼ症候群も遺伝が関係しているんでしょうか?
A. ネフローゼ症候群を発症した患者さんの一部には、遺伝子変異が関わっていることが明らかにされつつあります。注目すべきは、COQ2, COQ6, COQ8B遺伝子などに原因となる変異を認める場合に、一般的なネフローゼ治療薬であるステロイドや免疫抑制剤ではなく、コエンザイムQ10に治療効果があることがわかっています。
※患者会補足:あくまで遺伝子検査を経て「遺伝性ネフローゼ」と確定した場合の治療方法です。個人の判断でコエンザイムQ10等を摂取しないようにしてください。
Q. 腎生検の代わりに遺伝子検査を導入するイメージですか?
A. いいえ。現時点では、腎生検に置き換える用途ではありません。ステロイド抵抗性ネフローゼ症候群患者で組織学的に微小変化、巣状分節性糸球体硬化症を呈する患者さんに遺伝的検査を行う事が考慮されています。
Q. なぜ東京医科歯科大学の皆さんがクラウドファンディングを実施されるのですか?国の研究費などは出ないのですか?
A. 次世代シークエンサー(NGS)という大量の遺伝子情報を高速で解析できる技術を腎臓病分野にいち早く取り入れ、これまで腎臓病の原因として報告された約200種類以上の遺伝子を同時にスクリーニング検査する「網羅的腎臓病診断パネル検査」を独自に開発し、2014年より運用しています。遺伝子解析を継続し、一人ひとりに最適な治療法を追究し続けていきたいと考えていますが、これは、既存技術の安定運用という分類になり、国の科研費獲得に直結しにくいという背景があります。
Q. 今後の展望も教えてください。
A. 現在は、患者さんの主治医の先生方から遺伝性腎疾患が疑われる患者さんの遺伝子解析についてご相談を受け、家族歴、腎臓病関連の検査値や腎臓の組織学的検査(腎生検病理所見)をふまえ腎臓病パネル遺伝子検査を行います。得られた遺伝情報からの確定診断はもちろん、そのような患者さんのデータを蓄積し、遺伝型情報と比較検討することで
・同じ(近い)遺伝型の患者さんの腎機能はどの程度のスピードで悪化するのか(予後予測)
・どのような薬を使うべきか、または使わないべきか(治療薬選定)
について新しい知見を見出していきたいと考えています。パネル遺伝子検査を行った結果確定診断に至る患者さんの割合は60%程度です。これは遺伝子解析技術の課題による部分もありますが、実際にまだ病気の原因として認知されていない新しい原因遺伝子が存在する可能性も十分にあります。
そこで私たちはパネル遺伝子検査で原因となる変異がみつからなかった患者さんに対し、国立遺伝学研究所や米国ワシントン大学の協力を得てさらに2万種類全ての遺伝子を解析することで、新しい原因の発見も目指しています。
以上、皆様のご支援をよろしくお願いいたします。
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東京医科歯科大学腎臓内科様