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しきつの杜

一人暮らしへのハードル

2023.01.30 00:42

本年度の障がい者部会での議事録がアップされていました。

グループホームでの生活の多様性を議論している部分にて、「一人暮らしやパートナーとの暮らし」という切り口でグループホームを「終の棲家」とはせず、希望するのであれば地域での「自立生活」や「就労支援」を支援していこうという話。


こんなニュースもありましたよね。

「避妊」をしたことにのみ焦点が当てられていますが、支援をする側、本人の認識、生まれてくる子のこと等々考えれば考えるほど答えは簡単には出せませんし、状況をしらない傍がどうこう言っていいものではないかと思います。


「地域で暮らしていく」ということは障がい者運動の中でも1970年代から長く議論され、運動の中身も時代と共に変化し続けてます。


私も子育てを行った障がい者夫婦の支援、親元から一人暮らしをする支援、施設から地域での一人暮らしの支援、グループホームからの一人暮らしへの移行など様々な支援に介助者として関わらせていただきました。


その経験から思うに「そう簡単じゃないよ!」ってのが本音。


重度身体障がいのケースについては運動草創期より様々なノウハウ、制度の拡充、地域の受け入れなどが整っているので意外といけるのかなってのは実感としてあります。


でも本当に難しいの「軽度」な障がいを持つ人々の地域での自立生活。

そもそも介助時間数が少ないので、「できない」ことに根差した支援がなかなか組み立てにくく、「当事者本人」の自助を求める部分が多すぎる。

現在のADLモデルを基準にする支給決定の流れの中では見えにくい「困り」に光を当てた支援は現場任せになるという難しさ。


介助職も総じて人員不足、能力不足、経験不足になりつつあります。

障がい者運動を担ってきたファースト世代(1970年代に学生だった世代)もすでに多くが退職年齢を迎え、次の世代がいわゆる氷河期世代。

その次の層は薄く、なかなか重層的な支援の輪を作り切れていない現状もあります。


制度的な枠組みを作ると共に結局は支援をしていく「人」をどう作っていくのか?

ここが最大のポイントであることは変わりないような気がします。