ダメ営業。
これは昔から不思議だったんだけど、繊維業界には「なんでお前生き残ってられんの?」みたいな奴らがおる。生地問屋や繊維商社、OEMメーカーなどには特に。
会うたびにグループ会社内で移籍して名刺が変わってる人とか、おる。
彼らは一見忙しそうではある。バタバタしてる風。そして案件数は一丁前に持ってる風。しかしあくまで、風。
そして彼らには、わかりやすい特徴がある。
・一人では何もできない世界なのに、自分が全部やってるような顔してる。
・相手(客先)のニーズを汲み取れていない。
・提案内容に対するフィードバックを持っていない。
・自分の数字しか考えてない。
・無駄に仕入先に高圧的。
・なぜか客先にも強気。
・事故った時の言い訳の主語がいつだって自分以外。
・打率低い。.013くらい。
こういった中間業者のダメ営業の地雷は、気をつけていてもたまに踏んでしまう。被弾してしまった時はそれこそ、そういうもんを呼び込んでしまった自分の不注意、落ち度として受け入れるが、予兆を感じても成り行きで避けきれない場合はしばしばある。
別注素材しか取り扱わないメーカー系の生地屋さんはすごく同意してくれると思うが、スワッチという生地見本帳は、担当者が労力をかけて一個一個手作りで作成している。それを湯水が如く要求し、それでいて決定力不足なタイプは、完全にこれに当てはまる。
それなのに、なぜかずっと、この業界にはいることができている。
不思議だ。
彼らは人に迷惑をかけているという自覚がない。
そういう意味では精神的にすごくタフである。トラブルで飛ぶことがない。だって俺悪くねーもんって思えるから。そして完全に仕入先全方位へリスクヘッジする。なるほど生き残れるわけである。
トラブっている時点でお客様に迷惑をかけているというのに、仕入れ先の事前忠告を無視して該当事故が起こっても平然と仕入先にヘッジできてしまう。だって俺悪くねーもん。なるほどいk
雇う立場目線で行けば、雇用費<利益/個人であれば、数字的な辻褄は合うので辞めさせる理由はないのだけれど、看板は汚れるリスクはある。あーなるほど、だからいつも名刺が違うのか。
彼らの中には、たまに勘違いが行きすぎて独立するタイプの進化系モンスターがいる。ほとんどはお客様も残らず、仕入先もついてこず、割と早めに詰む。彼らが数字のためだけに食い散らかした市場は、ちょっとまともな業者が入ることでものすごくありがたがられるからやりやすかったりする。そういう意味では必要悪なのかもしれない。
ビジネスライクに考えて合理性・正当性があるような行動でも、彼らを介在して彼らに与うべき付加価値はないに等しいため、客先にとってはただの選択肢でしかなく、有機的な製造の世界においては完全に地雷原である。そして残念ながら、そういう人は結構いる。
おそらく工場系の発信で多い中間業者の不平不満は、こういった地雷原の人たちに見舞われているケースがほとんどだろう。避けるには、触れない選択を取り続けるしかない。
と、自分がそういうものにならないように自戒を込めて。