GWだから読みたい即効性はないけどズシリとくる、人事へのオススメ本。
長期休暇になると、なんとなく本が読みたくなりますよね。ということで今回は「人事の代わりに読みました」の特別編として、人事の方へのおすすめ本をご紹介します。せっかくの長期休暇に読む本なので、即効性のあるライトなビジネス書ではなく、すぐには役に立たないけど考えるヒントになるような少し重めの本を選んでみました。
第二次世界大戦 影の主役―勝利を実現した革新者たち
この記事でも少し紹介した本です。第二次世界大戦を扱った本といえば偉大な指導者の決断か現場の一兵卒の人間ドラマと両極端のモノが多い中で、こちらはその間にいるミドル、中間管理職による「戦場の課題解決」を扱った本です。大西洋を支配するUボートに、どう対抗するか。人類史上初の大規模な上陸作戦だったノルマンディー上陸作戦に伴った、無数の課題をどう解決していったのか。様々な戦場の課題に関して、ミドルたちの創意工夫とその背景にある思考も面白いですが、読んでいくうちに、そんな創意工夫を可能とする組織の風土があることに気づかされます。組織論として読むと非常に含蓄がありますね。
反脆弱性
こちらは有名な本ですね。「ブラック・スワン」で有名なニコラス・タレブの著作。不確実性が増す世界の中で、唯一、それに対抗可能な考え方として彼が考えたのが「反脆弱性」。不確実性から起こる変化に弱いわけでも耐えるわけでもなく、そこから利益を得ることができるのが「反脆弱性」。まったく新しい概念なので、その説明に上下二冊をかけていますが、意外と読みやすいです。反脆弱性という観点で、自分の組織、会社、そして自分の人生について考えてみると、思わぬヒントをもらうことができるかもしれません。
世界はシステムで動く
『世界がもし100人の村だったら』で有名なドネラ・H・メドウズによる、システム思考の解説本です。なんとなく最近、聞くことが多くなった「システム思考」についてわかりやすく説明してくれています。システムとは何かという基礎から、実生活にあるシステムの具体例。システム特有のふるまい、落とし穴、そしてシステムに介入するポイントまで。企業という組織も人というソフトウェアと様々なハードウェアによって編まれたシステムである以上、システム思考はもちろん応用が効くのです。
ルワンダ中央銀行総裁日記
何年かに一度、有名になる本。日本の銀行員がいきなりルワンダの中央銀行総裁に任命されて、やがてルワンダの経済復興を成し遂げていくという小説のようなノンフィクション。リアル異世界転生モノと言われるだけあって、その成功の過程は痛快なほどスムーズ。もちろん著者がご本人なので、多少、盛っているところもあるのでしょうか、それでも非常にワクワクします。一方で、まったくの異文化で周りに味方のいないグダグダの組織の中で、どう味方をつくって、組織を変えていくのかという視点でみると参考になることがたくさんあります。
ガリア戦記
こちらも歴史的名著ですね。あのカエサルが自分で書いたという本。正直、古代ローマに関する知識はほとんどなかったのですが、まったく覚えられない人名と部族名を除けば普通に楽しんで読めました。まず感じるのがカエサルの人の扱いのうまさです。ダニエル・ピンク風にいうとモチベーション1.0の時代だったかもしれませんが、具体的な賞罰の使い分け、信頼と寛容、分からせる時の徹底した非情さ。現代においても参考になることは間違いありません。
ということで、GWだから読みたいオススメ本を紹介させていただきました。本当にためになるかどうかはともかく、どれも本としては間違いなく面白いのでご安心ください。