絵本『ひなまつりにおひなさまをかざるわけ』
2023.02.26 00:00
子供達に行事育を伝えるには何よりも実際に行事を実行することが第一優先ですが、その次にみなさんにお願いしているのが絵本の活用です。その絵本を与えるにあたっては年齢や行事を理解できるレベルを考えて絵本を選択しています。例えば2歳ごろだと簡潔に行事をイメージできる作品を選び、3歳になるとその子供の理解力に合わせワクワクやドキドキするような作品を、4歳以降は行事の意味や由来を記してある作品を取り上げています。
今回は4歳以降にひな祭りの由来を理解する絵本として読んでほしい作品です。
「むかし、おおきなかわのほとりに ちいさないえがありました。」と始まる物語は両親を亡くした歳の離れた妹と妹想いの末の兄との物語が描かれています。
病気になった妹を思う兄の気持ちが奇跡を起こしたのか人形が厄を身代わりにするストーリー展開です。子供達は作品を一通り読んだ後にタイトルの意味が実感できるようで、「そういう意味だったんだ」と語ることが多いです。中には棒人形が怖いだの面白いだの感じ方はそれぞれといったところです。
雛人形には飾り雛である以前に流し雛の歴史があったことや元々は木や藁で作った人形であった時代から、現代の豪華絢爛な和装の美しい雛までの変遷も勉強になるのではないでしょうか。また何より親が子を思う気持ちの表れを子供たちが感じ取ってくれたらと思います。
是非日本の伝統的行事を幼い子供たちに読み繋ぎ、アイデンティティの構築や愛情とは何かを感じ取ってもらいたいと思います。