簡単工作『春の花工作』
乳児がよちよちと歩き始めるようになるとお散歩が楽しくて楽しくて仕方がない時期が必ず訪れます。その時に小さな生き物を見つけてじっと観察し、野花が咲いているとその香りを確かめるように花に顔を寄せ、そっと触れる経験をしたり、植物の葉の形や色の豊富さに気づく経験値を上げて下さい。多種多彩なものが存在することを理解することは、幼い子供の物事を受け入れる間口を広げ、日本人古来の持つ季節感や行事・伝統・文化に深く関係し、学習の領域の連動性を確かなものにしてくれます。
今回の記事は植物に関心をなかなか育めない生徒さんをどう導き出すかということでスタートしている『植物&簡単工作』の一部を紹介する記事となります。春は今回の内容で、夏は6月末、秋は9月末、冬は1月末を予定しており1年作り続けると季節の植物や花が理解できるようになります。
教室内には季節感を出すために以下の写真のアーティフィシャルフラワーを一年を通し季節ごとに変えています。数年通われている生徒さんの認識度は安定していますが、まだ通室間もない生徒さんは意識して見ていただけると花の名前を覚えやすくなるのではないでしょうか。
では空間認知力や図形力を鍛える折る動作を工作として行います。使用する材料は折り紙や色画用紙、のり、はさみのみです。先ずはチューリップですが花の部分は4枚の折り紙や色画用紙を円形にカットし、2枚は重ね貼りで中央の花びら用に、もう2枚はそれぞれを半分に左右の花びらとして好きな形の花びらにかっとします。緑の折り紙や色画用紙で葉と茎を作りはなを貼り合わせて完成です。3歳の子供ができるようにしているので時間もかからず簡単に作成することができます。
次に菜の花。菜の花はベースの土台折が難しいので親御さんが折り上げておく方がベストです。黄色の折り紙を2回折りにし小さく畳み、角を4箇所切り落とすと黄色い花びら部分となります。その単純な作業を行っているだけでも幼児が獲得すべき図形取り組みの折り目の推理学習に繋がるので、学習の下地作りと工作の兼ねての経験値が上がることにはなります。
最後にたんぽぽです。たんぽぽは花の部分をいかに細かく切ることができるかが仕上がりの良さにかかってきます。よって普通の鋏を使用するよりも赤ちゃんの爪を切る先の丸いはさみをできるだけ丁寧に慎重に切り込みを入れさせます。下の写真は3歳2ヶ月の生徒さんに切れ込みを入れてもらいました。ここで何が身につくのか・・・それは慎重にはさみを動かすことです。さすれば自動的に丁寧に物事と向き合うことになるので忍耐力もついてきます。簡単な工作に見えて子供の能力を伸ばすものが詰まっています。また子供たちが苦戦する図形書きの△を葉で大きさを変えて描く脳と手と目を連動させたモータースキルも獲得することができます。
賢い子供たちはなんでも器用にこなしますがその中でも工作をする子供達の発想力や頭の回転の速さは抜きん出ています。私も孫ができたら毎日でも何かを一緒に作るという作業を欠かさずに行いたいものだと考えています。工作は侮ってはいけません。たくさんの魅力や能力を開花させる宝庫なのです。