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偉人『フェルディナンド・マゼラン』

2023.03.31 00:00

人類初の世界一周航海を果たしたポルトガル人のフェルディナンド・マゼラン。残念なことに彼が偉業を成し遂げたにも関わらず出生年月日は不確かである。おそらく1480年ポルトガル北部の町ポルテ下級貴族である父ルイ・マギャランイスと母アルダ・デ・メスキータの間に生まれたとされている。その後1892年ポルトガル王妃の小姓として宮殿に入廷するまでの記録はない。というわけで幼少期をどのように過ごしてきたのか検証するには至らない。

入廷後コロンブスの新大陸発見やバスコ・だ・ガマのインド航海を知ることとなり、マゼランも御多分に洩れず航海に対する関心が強まったとされている。1500年にポルトガルがインド洋へ艦隊を送ることとなり25歳のマゼランは1505年に自ら名乗り出て初航海に旅立ったのである。しかし下級貴族であったものの彼に対する艦内での立場は庶民の乗組員と全く同等の扱いを受け、この扱いが彼のプライドに影を落とし艦長の役目に名乗り出るも却下されポルトガルでの生活に嫌気が差しスペインに渡ることになった。

下級貴族の小姓でありながら異国のスペイン国王に書簡を送り続け面会にまで辿り着き、けれの熱弁で心動かされた若きスペイン国王の援助のもと世界一周の航海に出出航することができたかを考えてみようと思う。

少し話を巻き戻すと航海経験を積んだマゼランはポルトガル国王に船長として航海をすることを申し出たのであるが拒絶され、評価されないことに嫌気が差しスペインに移り住んだ。もし彼がポルトガルに踏み止まっていたら大航海時代の世界的事実は歴史の一幕にもなっていなかったであろう。しかし彼のまだ見ぬ世界への興味と好奇心、熱き想いが彼を突き動かしたに違いない。男はロマンを求めるという冒険家の言葉を思い起こすが、人類の長き時を考えても尚その男性の中に存在するDNAが熱きたぎる熱量となり行動せずにはいられない思いは、小さな男児たちにも見受けられる。ということは今も昔もその興味と好奇心、熱き想いがあれば夢だ、無謀だとされることが実現できる可能性を秘めているのではないだろうか。

マゼランは命をかけた航海への夢を諦めることができずスペイン国王カルロス1世に書簡を送り続け面会をし航海にの援助を懇願したのである。その想いたるものは凄まじいものがありスペイン国王は感銘を受け彼を艦隊長にすることを決断したのだろう。自国を捨てた異国の下級貴族の男に一国の国王が大金をかける事業にかけ、その付加価値に先行投資をしたのだ。どれだけの熱量でどう説得したのかを時空を超えて覗き見てみたいものである。

1519年ポルトガル人でありながら若きスペイン国王の援助を受けトリニーダ号をはじめとする5隻の艦船と総勢265人の乗組員を乗せスペインを出発し、大西洋を横断後南アメリカに沿って南下したのである。

しかしこの航海はすんなりとうまくいったのではない。2つの大きな問題があった。1つのはスペイン国王と交わしたポルトガル人の船員は5人ということ、そして他国を出し抜くために乗組員募集には「2年以上の航海になる」という情報以外公表しないというものであった。そのため乗組員は集まらず、集まった人物を見ればホームレス同然の荒くれ者ばかりであり航海計画も頓挫しそうになったのである。

そこでマゼランは国王にその条件の緩和を申し出た。そして彼が次に打ち出した策がそれまで誰も成し得なかった『世界一周』という大きな目標を告知したのである。そのお陰でイタリア貴族も加わり、その大きな目標を志すものたちが続々と名乗り出て大所帯の船団を組むことができたのである。

子供に日々向き合う仕事をしていると好奇心を持って物事にあたる子供ほど、どんなに難しい問題に向き合うことになったとしてもそれを乗り越えようとする精神力の強さを感じる。詳しく説明すると子供自身が関心や興味を持ち、そこに好奇心の種が加わるとどんな困難にも立ち向かおうとする精神力の強さが見え、解決策を見出そうと思考し努力していく。一方子供に物事を押し付けて何かを進めた場合には、必ずと言っていいほど困難には心折れてしまったり、すぐに諦めて辞めてしまう。例えそれがうまくいっているように見えてもどこかの時点で「あれは好きではなかった。仕方がなくやっていた。」などという結果を迎える。

よって如何に子供自身が自ら関心や興味を示し、好奇心を持ってことにあたることができるかなのである。子供自身の発信ほど物事を貫徹でき大きな志を持つことができる。おそらくマゼランはこの航海という誰も成し得ていない大きな目標に向かって進めていくにあたり、好奇心という最大の武器を携えて突き進んでいったに違いない。

では彼のような好奇心をどのようにして育ませることができるのか。それはもう簡単である。関心や興味を持ったものやことの経験値を上げて好きにさせれば良い。また好きだという思いや楽しい、ワクワクするという思いを最大限に引き出し、大きな目標を立てさせてて実行させれば良いのである。

昨日突然主人が仕事をそこそこにして旅行にでも出かけたらと私に提案してきた。何やら胡散臭い匂いがしたので自白誘導の種まきをするとすぐにボロが出た・・・どうも大学時代の旧友と沖縄でバーベキューやらゴルフ三昧にしたいようである。それも我が家を寝床にして・・・マゼランのように世界一周のクルージング費用を出してくれたら応じるとして会話で話を終えた。もししばしの間私が旅行に出かけることがあればその策にはまったと考えて良い。しかし残念なことに夫にはマゼランのような熱弁を振るだけの力は持ち合わせてはいなかったようだ。そもそも大企業の役員さんたちが一同に集まれるのだろうか・・・?