インナーユニット骨盤底筋群編
こんにちは、神保町、御茶ノ水のパーソナルジムトレーナーの井上です。
今回は以前に述べた4つのインナーユニットが身体に対してどういう役割をするのか細かく説明していきます
本日は骨盤底筋群編です。
<骨盤底筋群とは>
骨盤底筋とは、名前のとおり骨盤の底に位置します。骨盤底筋という単独の筋肉は存在せず、骨盤内にある臓器を支えている筋肉の総称になります。恥骨・尾骨・坐骨に、ハンモックのように付いています。
骨盤内には、子宮や膀胱、直腸などの臓器が収まっています。
骨盤底筋は、これらの臓器を正しい位置に保ち、尿道や肛門を締めて排泄をコントロールするなど、重要な役割を担っている筋肉です。
そのため、お産や運動不足などで骨盤底筋群が緩んだり傷ついたりすると尿もれや頻尿などのトラブルが起きます。
尿漏れが起きる仕組みとしては、骨盤底筋群が緩んでくると、膀胱が下がり、尿道を締める圧力がかかりにくくなるため、尿漏れしやすくなります。
また、それにより弱った骨盤底筋が臓器を支え切れず、腟から子宮が飛び出す子宮脱という病気になってしまうこともあります。
特に女性の骨盤底筋は、男性に比べると長さがあり、薄く弱いことが特徴でもあるため、出産や加齢によって筋肉が傷んでダメージを
受けたり、弾力性が低下したりしやすくなります。
<骨盤底筋群の働き>
①内臓を支える
骨盤内にある膀胱・子宮・直腸などの臓器を支え、正しい位置に保ちます。
②排泄の制御
尿や便の排出制御機能があります。筋肉の緊張・弛緩により正常な排泄をコントロールする、重要な役割を担っています。
③腹膜内の圧力調整
腹腔内の圧力を調整する役割があります。排便時などに腹部に力を入れた際に直腸に腹圧を伝えたり、排泄時に圧力が掛かった腹膜を下から支えたりしてくれるのです。
<骨盤底筋の緩み、尿漏の原因>
①妊娠、経腟分娩の出産
妊娠すると、3kg程までに成長する胎児に子宮が常に圧迫されるため、骨盤底筋にも負荷がかかります。さらに経腟分娩の出産時には、胎児が腟を通過する際の圧迫だけでなく、会陰切開などにより筋肉に直接ダメージが与えられることもあります。
②加齢
骨盤底筋群も、腕や脚など他の筋肉と同様に、筋肉自体が年齢を重ねることで衰え、支える力が弱くなっていきます。
③運動不足、肥満
骨盤底筋の筋力も、使われなければ衰えていきます。
運動不足により肥満が進むと、脂肪によって腹部が圧迫され、下で支える骨盤底筋に負荷がかかり、骨盤底筋自体がダメージを受けていきます。
<骨盤底筋群トレーニング>
1、仰向けバージョン
①仰向けに寝て足を少し開き膝を立てます。
膝の間はこぶしをひとつ分くらい開け、体の力をぬきます。
②肛門を閉めながら膣と尿道も10秒くらいぎゅーっと締め、その後、30秒くらいリラックスします。息を吐きながら、肛門と膣を胃の方向に引き込むように締めるとやりやすいとされています。これを10回繰り返しましょう。
③次に、同じように肛門、膣、尿道を閉める動作をもっと早いテンポで行い、この「キュッ(締める)、パッ(緩める)」を1セットとして、10回繰り返します。
2、座位バージョン
①背筋を伸ばして少し浅めに座ります。
②床につけた両足は肩幅に開き、肩の力をぬき、おなかに力が入らないようにしながら、締める、ゆるめるを繰り返します。(基本姿勢の2~3を繰り返します)
トレーニングは1日数回に分けて約5セット以上行うといいでしょう。