歩くと気持ちいい街、いなべ(2023.2.6)
近年、阿下喜商店街に新しいお店がたくさん誕生した。
当然、以前からのお店も長年のご愛顧を支えに、商売をされている。
しかし、平日は、あまり人が歩いていない。
これを仕方ないことだと、どうしても思えない。
あげきのおひなさんには、毎年、あれだけの人が来ている。
阿下喜だけでなく、いなべ市には、歩いてみれば、必ず何かが発見できたり、まちの人の人情にもふれられる。
主な観光資源は何もない。とよく聴くが、文化財級のものだけが観光資源ではないのは、バゥクパッカーやロングツーリング、乗り鉄の方々なら理解できるはずだ。
まちは、ちょっとしたことで、雰囲気や姿を変えることができる。
今まで、多くの地域資源に関する調査が行われてきただろう。
私も、議員になる以前に、そうした場に多く立ち会ったが、調査しっぱなしで、なかなか次の段階には進まないできた。
私は、よく言うが、あげきのおひなさんこそお手本である。
市民による、まちの資源を活かした、まちおこしのお手本。
いなべ市では、ああした事例をほかに見たことがない。
桐林館も、以前は、全く活用されなかったが、カフェができたことで、若いカメラ女子が、平日でも撮影に訪れていた。そして、その女子たちは、たまに、阿下喜のまちの中へも散策の足を伸ばしていた。
駐車場がないからね。
にぎわいの森にはシビックコア以外にトイレがない。
こんなこともよく聞くが、観光地はどうだろう。
基本は、大型駐車場に車を止め、まず、トイレを探し、済ませたら散策だ。
高齢者や子どもを連れた方々の買い物ならば、最寄りの駐車場は必要だが、散策となると話は別ではないだろか。
それに、環境のこと、健康のことを考えると、歩く、自転車を使うは、これから再認識するべきライフスタイルである。
都会の人は、必然かもしれぬが、実によく歩く。
JR駅から地下鉄駅まで、かなり歩く場合があることは普通である。
阿下喜から麻生田までを徒歩で往復した。
立春過ぎ、昼間は暖かい陽光を感じ、野鳥が飛び、春に向けた芽吹きを感じる。
冠雪の鈴鹿山脈と青い空のコントラスト。
ゆっくり走る小さな黄色い電車は、実に趣がある。
集落の中で、出会った人と立ち話し。
辻の空き地で、一緒に歩いていた者同士が立ち話し。
多分、室内で出会っても、あんなに長話にはならない。
出会いと対話を実感できた1日となった。
歩くこと。そのスピードが、私たち人間の基本であると思う。
重力を感じ、背筋を伸ばし、深い呼吸をしながら、空や木々に囲まれ、自然の音に耳をすます。
生きている実感は、そんな時間の中にあると思うし、
まちを知る、まちを愛するとは、じっくり体感することが基本だと思う。