四方
こんばんは。
高槻市にある、民藝の器、暮らしの道具、食
に関する古書のセレクトショップ、発酵食品
中心のカフェ、テマヒマ
プロデューサー、バイヤーの太田 準です。
昨日は南丹市で作陶されている前野直史さん
のもとへ仕入れにお邪魔してきました。現在
のお住まい兼工房は生畑にあるのですが、新
居を美山に建築中です。今回はその新居の方
でモノ選びをさせて頂きました。約一年半振
りだったようで工事も随分進捗していて、最
終段階。到着するや否や思わず器のことそっ
ちのけで、かなりテンション上がりながら
お宅拝見、建物探訪させて頂きました。
個人宅でプライベート、プライバシーのこと
もあるので撮影はしていないですが、笹倉徹
さんによる机は撮らせて頂きました。
テマヒマも採用している朝鮮張りの床の上に
、漆で拭いた素晴らしい机。一枚板の天板は
木目も美しく、縁のアールまでとても丁寧な
お仕事。部屋に入った時に目に入ってくる足
、側面のデザインは前野さんご自身によるも
の。建具類なども含め隅々まで前野さんのこ
だわりが詰まっていて、面取というブログで
以前書きましたが、進め方もならでは。
今回の仕入れは注文させて頂いていた掛け分
けの器(タイトル画像真ん中奥)に加えて、テマ
ヒマ店内にある在庫も意識しながら選ばせて
頂きました。茅葺き屋根の天井スペースに器
を運んで下さっていて、まだ照明は付いてな
いので、工事用のライトを照らしながら、ワ
クワクしながら買付を。
注文させて頂いた掛け分けの器について。
お店をまだ始める何年も前に購入させて頂い
た器がとても好きで自宅でも愛用していて、
開店時にもシリーズで注文して作って頂きま
した。すぐに完売してしまいましたし、カフ
ェで使っていてもお客様のお問合せの多い器
。その後注文は基本受けてらっしゃらないと
いうことでしたが無理を言って一年程前にお
願いしました。満を持しての登場です!
でも結論から先に言うとこのスタイルの注文
はこれで最後。前野さんはスリップウェアを
はじめ本当に様々なお仕事をされていますが
その時々の材料や気分を大切にしてモノ作り
されていて、時と共に変化していってます。
灰色の部分は大津の方の鉄分の多い土を釉薬
にしたものだそうですが、最初作った当時は
それを見つけどう活かそうかということから
この掛け分けを作るようになったとのこと。
その土はまだ辛うじてあったものの、やはり
土や釉薬、そしてモチベーションは何年も前
と同じという訳ではありません。作り手に伴
走するという意味ではあまり良くないなぁと
お話ししながら思いました。もちろん作品と
しては良い感じ。やっぱり好き!今月末から
前野直史さんの特集を予定していますので、
是非その時にお手に取ってご覧頂きたいと思
います。
器の話も勿論したのですが、兵庫県民芸協会
のこと、建築のこと、価格のこと、撮影のこ
と、陳列のこと、同業のこと。。。。本当に
話の内容は多岐に渡り、四方八方にいってま
さに四方山話。気がついたらとても長い時間
になっていました。楽しい時間でした。前野
さんお忙しい中、1日お付き合い頂きありがと
うございました!
話している中、ふと自分の口から出たことで
すが、飲食と物販とを営んでいて、飲食部門
についてどこか客観視出来るところがあるの
に対して、物販の方はそれが出来てないなぁ
と。四方山話の中に示唆に富むこともあった
ので、お店のこと、協会のこと、色々と取り組んでみたいことも出てきました。やっぱり
オンラインではなく直に会ってお話しするこ
とで生まれることってありますね。
テマヒマは昨日今日、火曜日水曜日で定休日
でした。明日11時オープンで皆様のお越しを
お待ちしております。明日より三名窯松形恭
知テマヒマデビュー特集或いはミニ個展スタ
ートです。そのことについては明日書きたい
と思います。
今日も一日お疲れ様でした!
好い夜をお過ごし下さい。
おやすみなさい。