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ArTU

バウヒュッテ・フォルケホイスコーレでの「教授」の呼び合い

2018.04.28 08:11

日本のアカデミーの現場でお互いに教職者どうし「先生」と呼ぶ合う奇妙な習慣があります。バウヒュッテ・フォルケホイスコーレでの「教授」の呼び合いは、ご教授願いますという謙譲の意味であると同時に知性やアカデミーに対する皮肉を込めたメタファーでもあります。

イタリア人の家は、人を家に招いたり、招かれたりするサロンとして人と人との交流場所になっています。そこから素敵なモノを家に置きたい、人生の素敵な舞台を作りたい、という気持ちが生まれて、美大や美術館よりも、それがアートの土壌となっています。

高齢者を中心とした地域の住民と子供たちが日常的な生活空間の中で、コモディティーとしてのアートに触れ合う場として位置づけられます。欧米ではクリスマスや誕生カードは手作りが基本で、どんな絵の下手な人でも絵をコピーして色を塗ったり、あるいは落ち葉を集めてそれを貼ったりと下手は下手なりに工夫して自己学習でアートの感性を磨いていきます。

また、イタリアのレッジョ・エミリアアプローチのように、アートやモノづくりを通じて高齢者や障がい者たちの家づくりに子供たちが集まって参加するというスキームです。従来の教育方法とは根本的に異なるアプローチなのです。

“クラウド上の学校”自己学習の提唱者であるスガタミトラ氏によるスラムの街角にコンピューターを置いて、子どもたちに自由に使わせる自己学習アプローチを踏襲するものです。