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Welcome to the cermic art world of tadashi wada  工藝 Web個展

濱田邸茅葺長屋門修復その11

2023.02.11 12:55

いよいよ茅葺き屋根の修復も最後の手入れ、つまり拭いた茅を茅切り鋏で余計な茅を刈込み綺麗な斜面に整えていく。上から順番に刈り込み丸太の足場を外して最後に軒を整える。広い面責のところはエンジン付きのヘッジトリーマーで刈るが細かいところは未だに手で茅きり挟で丁寧に整える。近年、この茅切り鋏を作るところも減ってしまっているという。筆者も調べて見ると中古の鋏がネットオークションにも出品されているが、ほとんど売り切れ状態。この鋏は剪定鋏に似ているが、歯が上方に反っている傾斜を出しやすい工夫だろう。刈り込みが終わった茅葺き屋根は丸太の足場が全て外され残るは鉄パイプの足場のみ。この足場も外され来月からは壁塗りが始まる。

長屋門の屋根の修復が始まった頃の写真。北側の屋根は草が生え茅も軒下に行くほど痛んでいた。

茅葺きがほぼ終わった屋根。未だ足場も残り刈り込みが始まる前。

最後の手入れの刈り込みが終わった姿。綺麗な姿が現れる。

足場の下から見た屋根。色の違いが分かるだろうか。黄色い部分は吹き替えた新しい茅。グレーの箇所が古い茅。軒まで吹き替えがされている所はそれだけ傷んでいた。軒先はどうしても傷み易いとのこと。

茅の断面。斜めに切れている。健康な状態の屋根の断面軒板のところまで古い茅が残っている。上の」2/3が新しく吹き替えたところ。


門の裏からの風景。けんとうぎの始末も綺麗に終わっていた。破風の屋根も綺麗に整って。このような姿を見られるのも足場が無くなるとこの様な景色も後20年以降にしか見られない。中々茅葺き屋根を同じ目線で見ることは出来ないから。少しはこのブログの記録を観てくださった方に臨場感と興味を持っていただけたらと。

この後も修復の最後まで追いかけてまいります。