命と触れ合う時間
石鍋てるみです。
今の住宅環境では、
ペットを飼えない場所も多くなっています。
人間が住む周りには
いろんな生き物の命があることを
日常生活の中で感じにくくなっていると思います。
生き物との関わりを少しでも体験してほしいと思い
『一時保育専門託児ルームコミナスキッズ』では
生き物を飼っています。
少しでもここを利用する子どもたちに
触れ合える機会を作れるように
保育も工夫して行っています。
メダカやエビ、タニシの観察や
カブトムシ、カタツムリ、アオムシなんかも
育てたりしています。
そして、昨年10月に加わった
ヨープーのアルバくん。
昨日お預かりした5歳の女の子。
今回で2回目のご利用でした。
初回では、犬に興味がありながらも
遠くから見ているのが精一杯。
少し近寄ってくるっと
「あっち、いって!」って
逃げていました。
でも、昨日来た時にはやっぱり気になるのか
「アルバくんは?」って
すぐにその姿を探し始めました。
触ってみたいっていうので
チャレンジ。
私が抱っこしているアルバの背中を
ちょっとだけサワサワと触って
「できた〜!」って大喜び。
この調子に乗って、
お天気もいいし、アルバと一緒に公園に行こうと
提案しました。
「行く行く。今日もお弁当持っていこう!」
(前回も公園でピクニックしたのが嬉しかったよう)
そして、自分からアルバの散歩をしたいと
申し出てくれました。
リードの持ち方なども教えたところでいざ出発。
時々、歩かなくなってしまったり、
行きたい方向に引っ張られては
苦戦していましたが、頑張っています。
近所の人に、「かわいいね。」「偉いね」って
声をかけられたりしています。
そのうちに、知らない人に
「こんにちわ〜。」
「この犬アルバっていうの。」などと
自分から声をかけ始めました。
「なんだか、アルバのお母さんになった気持ちになる。」
「アルバが可愛いって言われると嬉しい」
そんな言葉も聞かれます。
昼食を食べる時も
「アルバも喉乾いたかな?お腹空いたかな?」といって
自分が食べるよりも先に
お水やおやつを与えてくれました。
前回は、自分のことで精一杯だったのに、
今回は、アルバの気持ちまで想像できるようになっています。
そして、自然とアルバと仲良しになって
飛びつかれても平気、
抱っこできるまでになりました。
時々、アルバの気持ちよりも
自分の気持ちが先行して
嫌がられたり、逃げられたりして
思うようにならないと
なんとかしてほしいと私に訴えてきます。
そんな時が、学ぶチャンス。
「犬だって嫌だなっとか、
邪魔されたくないなっていう時があるんだよ。
今はそっとしておいてあげて」と
話して聞かせます。
すると、そのことをちゃんと理解して
一方的な今遊びたいという気持ちを
我慢できるようにもなりました。
ここでの経験は数時間かもしれませんが
生き物との関わりの中で
子どもの中に眠っている母性本能や
貢献力、自制心といったものが刺激されて
新たな面が引き出されてくると感じています。
日常にはない経験の一つ一つが
増えていくことで
子どもの内面が育まれていくと思うと
瞬間瞬間の保育環境設定に
もっと工夫を重ねていきたいと思いました。