「宇田川源流」【日本万歳!】 トルコの震災で活躍する日本の国際緊急援助隊
「宇田川源流」【日本万歳!】 トルコの震災で活躍する日本の国際緊急援助隊
毎週月曜日は「日本万歳!」の日である。毎週日本の素晴らしいところや、日本の世界に期待されているところを報じている記事を選び、その内容を解析して、日本のすばらしさを分析し、広めてゆくということである。そしてその日本のすばらしさというのは、そこに書かれているヒーローやヒロインが素晴らしいというのではなく、日本の国民性や日本の慣習、生活環境からくる日本の「ゆとり」がそのようなものを作っているということであり、日本のすばらしさ、世界から日本が期待されていることに関して、日本人全てがその素質を持っているということを考えてゆきたい。日本の場合、必要以上に日本は良くないと思い込んでしまっている人が多かったり、謙譲という精神がいつの間にか卑屈に変わってしまっている人が少なくない。この連載は、その内容を少しでも解消できればよいし、毎週月曜日に日本のすばらしさを実感していただいて、自分もその素晴らしい中の一員であるという自覚をもって、日本に誇りを持ってもらいたいと思っているのである。
さて、今回は日本の最も素晴らしい「緊急災害救助隊」である。
大変不謹慎で申し訳ない言い方であるが、私は、この国際緊急援助隊が活躍できる記事を書きたかった。しかし、彼らが活躍するということは、どこかで非常に大きな災害が起きているということであり、そのことは日本以外のどこかで多くの人が被害に遭っているということに他ならない。つまり、彼らの活躍を描くということは、不謹慎ながらどこかの国の不幸を望んでいるということにつながるのである。実際に、そのようなことはよくないと思いつつも、やはり日本の緊急援助隊のすばらしさは、他の国のそれに比べて群を抜いているといって過言ではない。
今回、大変不謹慎ながら「トルコで大地震」があり、その地震によって、2月12日の朝の段階で2万人を超える犠牲者があり、それだけではなく、それ以上に多くの行方不明者を出している。内陸部の最大級の地震であるということがあり、同時に、その中での日本の国際緊急援助隊の活躍が伝わってきた。もちろん私はトルコの地震を願っていたわけではない。
トルコに国際緊急援助隊派遣
トルコ南部で発生したマグニチュード7.8の地震を受け、日本政府は国際緊急援助隊を今夜、現地に派遣しました。
国際緊急援助隊は警察や消防、外務省などからの職員で構成され、先遣隊18人がさきほど羽田空港からトルコ・イスタンブールへと向かいました。
トルコ政府の要請を受けたもので、現地で行方不明者の捜索や救助活動にあたります。最終的には75人程度を派遣するということです。
また、岸田総理はエルドアン大統領に対してお見舞いのメッセージを発出しました。
「トルコと同様、日本も地震による甚大な被害を多く経験してきており、過去の震災においても日本とトルコはお互いに支えあってきました」としたうえで、「日本は常にトルコの皆様とともにあります」と連帯を呼びかけています。
2023年02月06日 23時29分TBS NEWS DIG
https://news.nifty.com/article/domestic/government/12198-2152699/
地震"奇跡の救出"日本も貢献
【ハタイ(トルコ)時事】6日に起きたトルコ大地震による死者は11日、トルコ国内だけで2万1000人に達した。エルドアン大統領が発表した。隣国シリアと合わせた死者は2万5000人を超えた。倒壊した建物の捜索活動がほとんど行われていない被災地もあり、犠牲者数はさらに増えるとみられている。
一方、甚大な被害を受けたトルコ南部カフラマンマラシュ県では11日、約130時間ぶりに女児ベレン・ダルクランさん(6)がトルコ軍に救出された。関係者によると、近くで作業をしていた日本の国際緊急援助隊・救助チームが生存を確認した。
トルコでの負傷者は10万人以上で、シリアでも数万人が負傷しているもようだ。国連世界食糧計画(WFP)は10日付の声明で「温かい食べ物」を必要としている地震の避難民が少なくともトルコに59万人、シリアに28万4000人いると指摘した。
ロイター通信によると、国連のグリフィス事務次長(人道問題担当)はカフラマンマラシュ県を訪問。被災状況について、11日の記者会見で「この地域では過去100年で最悪の惨事だ」と語った。
一方、行方不明の被災者の生存率が急激に下がるとされる「地震発生から72時間」が経過した後も、がれきの中からの「奇跡の救出」(トルコメディア)が相次いだ。
オクタイ副大統領は10日深夜、トルコでは「過去24時間で67人ががれきの下から助け出された」と述べた。11日もベレンさんのほか、南部ハタイ県でも2歳の女児が122時間ぶりに発見、搬送されるなどした。AFP通信によれば、シリアでも10日に6歳の男児ら4人が救出された。
ハタイ県などでは、被災した店舗から一部の住民が商品を略奪しているとされ、治安悪化も懸念される。市民から食料品やおむつなど大量の支援物資をだまし取ろうとした男の身柄がハタイ県で拘束されている。 【時事通信社】
2023年02月11日 23時58分時事通信
https://news.nifty.com/article/world/worldall/12145-2161987/
さて、トルコは現在のロシアのウクライナ侵攻における「仲介役」を買って出ている国であり、トルコの管理する国際海峡である「ボスポラス海峡」を通らなければ黒海でどのような強力な軍隊を持っていてお「井の中の蛙」になってしまう状態である。その意味では今回のロシアが「クリミア半島を簒奪する」という状況と、その「クリミア半島までの間の通路を確保するための戦争」と見た場合、トルコがその内容に反対すれば、領土が増えたということ以外に何の意味もなくなってしまうということになるのである。その意味でトルコは、他の国とは異なり、ロシアにもウクライナにも「海峡」としての影響力を持つ。そのことから古くは「クリミア戦争」「露土戦争」などがあり、現在のエルドアン大統領までは、トルコとロシアは犬猿の仲といわれていた状態だ。
そのトルコが「仲介する」という状況であるのに、地震が起き、大きな被害が起きた。ある意味で「仲介者」は「どちらかが反発した際に、その反発を抑えこむ力」を保有しなければならず、その力がそがれれば、仲介者に対しても反発することになりかねないという状態である。その意味で、今回のトルコの地震は、世界的な影響を与える内容であるというように考えて過言ではないのではないか。
そのように「世界的な危機」につながらないように、今回の災害からいち早く立ち直ってもらわなければならない状態である。もちろん、そのようなことがなくても、災害で助け合うのは日本の文化として当然であるが、それ以上に、世界からの期待がある。
しかし、「救助する」ということは、ある意味で「他国の人が自国の最も弱く防備ができてない部分を闊歩する」ということを意味しており、どうじに、助けたことによって恩義を感じれば、宗教的または国家対立的に問題が起きてしまう。スマトラ沖地震と津波にの時に、インドネシア政府は、アメリカや中国に対して「救援をしてくれることはありがたいが、インドネシア国内のベース(根拠地)を作ることは許さない」という意見表明をして驚かれたことがあるが、まさに、そのことをもとに駐屯地や租借地を作られてはたまらないのである。今回も「物資などの援助品はいらない」とトルコ政府は主張しており、すべて義援金にしてほしいというようなことを言っている。そのような中で日本はすぐに派遣し受け入れたということになる。それだけ日本というブランドはトルコの中で受け射られているということになろう。
その意味で「援助隊」というのは、「宗教的」「民族的」「政治的」に対立もなく、また、そのようなことを恩着せがましく後になって言わないということが「最低条件」になるということになり、同時に「それなりの効果があり、なおかつ、その効果が自国の国民に受け入れられる」ということが必要なのである。
そのような要件に整っているのが「日本」なのだ。
日本は、当然に無宗教ではないかと疑われる(立派な神道があるのだが)ほど宗教に頓着がなく、また、民族なども超越した働きをする。規律も正しく、略奪などはしない。そのうえで、人の命を大事にする。そして、敵味方はない。「困っている人がいれば助けることに理由はいらない」というのは日本人すべての共通認識ではないか。そして、そのことの信用が、日本の信用を高めている。これが日本なのだ。
活躍は日々伝わってくる。同時に、その時のトルコの人々の顔を見てもらいたい。それが日本のすばらしさの象徴ではないか。