これ、いったいどうやったら売れるんですか? 身近な疑問からはじめるマーケティング (SB新書)
こんばんは。世の中、ゴールデンウィークですね。
「ゴールデンウィーク 経済効果」でググって出てきた記事によると、
今年は大河ドラマ「西郷どん」の効果で、鹿児島が潤っている模様。
鹿児島のホテルでは、予約キャンセル待ちが発生するほど、と。
おばあちゃん家が鹿児島にあるので、このタイミングで何か仕掛けたらモノが売れやすそうだなーなんて思いながら読み進めた本をご紹介します笑。こちら!
『これ、いったいどうやったら売れるんですか? 身近な疑問からはじめるマーケティング 』永井 孝尚
です!
広報会議で、広報担当が読むべき一冊として紹介されていたので、読んでみました。
<どんな本か>
マーケティングとはなんぞや、ということを日常事例になぞらえて説明してくれる一冊。
マーケティング初心者の私にはとてもわかりやすくて「なるほど!」と理解しやすく、面白かったです。
マーケティング戦略を考える上で出発点となる「バリュー・プロポジション」と「ブルーオーシャン戦略」
本書の説明で用いられた日常事例が「腕時計」。
1人1台スマホを持つことがあたり前の時代に、”時間を正確に知る”ためだけの腕時計は、価値を持たない。そこで、バリュー・プロポジションを考え抜くことが大切であることを説明してくれる。
【バリュー・プロポジション】
①顧客が望んでいて、②競合他社は提供できず、③自社が提供できる、そういう価値のこと。
そしてバリュー・プロポジションをつくるには、徹底してお客さんの立場に立って考えることが必要になる。
顧客満足とブランド
【顧客満足】=提供された価値 - 事前の期待
期待を上回るサプライズが顧客満足につながる、という式。
この"サプライズ"が無いと、満足にはつながらない。
及第点ではなく、「そこまでやるか!」とおもわれるほどに、出来ることを考え抜くことが大事。
価格を決める2つの方法
①コスト基準型
②価値基準型→お客さんのニーズを捉えやすい
プロモーションは目立つだけではダメ
クラスの中でも、目立ったことをやって気を引こうとする男子は、必ずクラスの中にいたものだ。しかしそれだけではせいぜい、「おもしろい人」「ちょっと痛いやつ」と思われるのがオチだ。そもそも目立ったことをやってもお目当ての女子は気がついてくれるとは限らないし、好意を持ってくれる可能性も低いのである。
メッセージを伝える方法が間違っていたら、いくら目立って話題になっても目的は達成できない。むしろ目立たなくてもかまわない。意中の相手に、自分が伝えたい内容を伝えることがプロモーションなのである。
この例は非常にわかりやすいな、と思ったのでメモ。
いくら目立っていても、意中の相手に、伝えたい内容を伝えられないと目的は達成されないのでる。
イノベーター理論とキャズム理論
新しいモノを受け入れる順に5つのタイプに分類したのが「イノベーター理論」
①イノベーター(全体の2.5%)
→革新者。新しいもの大好き。なんでも真っ先に取り入れる
②アーリーアダプター(全体の13.5%)
→先駆者。よさそうだと自らで判断したら取り入れる。
③アーリーマジョリティ(全体の34%)
→現実主義者。他の人がいいと言ったら取り入れる。
④レイトマジョリティ(全体の34%)
→懐疑派。多くの人が取り入れたら自分も取り入れる。
⑤ラガード(全体の16%)
→頑固者。最後まで文句を言って取り入れない。
上記イノベーター理論の中での①②と③④⑤の間に、大きな超えるべき谷がある。その谷のことを「キャズム」と呼ぶ。
このキャズムを超える方法論が「キャズム理論」
第一段階:タイミングを見極めてライバルがいない市場を選ぶ
第二段階:最初のターゲットを選ぶ
第三段階:最初のターゲットを攻略する
第四段階:さらにターゲットを拡げる
このキャズムを超えた事例として紹介されているのが「きゃりーぱみゅぱみゅ」さん。
第一段階:タイミングを見極めてライバルがいない市場を選ぶ
→ちょうど、アメリカ・欧州・台湾などの若者の間で原宿系ファッションが注目されており、「カワイイ」が世界共通語になっていた。そんな中で、「カワイイ」を体現するアイコンがいなかったところで、世界で原宿系カワイイ文化を象徴する唯一の存在となった。
第二段階:最初のターゲットを選ぶ
→世界で原宿系カワイイ文化を求めている人たちをターゲットにして、その中でも「原宿系カワイイ文化で、新しいものはなんでも好き」というイノベーターと、「きゃりーはカワイイから好き」というアーリーアダプターにファンを絞り込んだ
第三段階:最初のターゲットを攻略する
→絞り込んだターゲットに確実に情報を伝えるため、デビュー直前にYoutubeやiTunesで映像や曲を配信し、世界で大きな反響が起きた。
第四段階:さらにターゲットを拡げる
→次に、アーリーマジョリティまでファンを拡げるため、世界各国でワールドツアーを行い、海外の有名人にもきゃりーのファンが増えていった。
<まとめ>
マーケティング初心者にとって非常にわかりやすい一冊でした。
おそらく、経済学とか学んでいた人からしたら、そんなの知ってるよ、という内容かもしれないです。
理論と身近な事例をつなぎあわせて考える、ということが大事だということと、永井さんの著書をもっともっと読みたいなと思えた一冊でした。