かながわ芸能歳時記 「潮神楽」
2018.05.14 15:15
海の町・葉山に伝わる仮面の舞
潮神楽(しおかぐら)
(三浦郡葉山町/森戸神社/6月)
天狗と山の神による愉快な「剣舞毛止幾」
潮神楽は、毎年6月16日に海の安全と大漁を祈願して、葉山の森戸神社にて奉納されます。江戸時代の中頃、熊野地方(現在の和歌山県)から移住してきた漁師たちによって、始められたといわれています。
神楽は全八座の構成です。米を四方に撒き、神楽場を清める「羽能(はのう)」。神楽場などを祓う「御祓(おはらい)」。竹で出来た御幣(ごへい)を持ち神を招く「御幣招き」。御湯を笹に浸し神様へ捧げる「湯上(ゆあげ)」。御幣で湯を掻き混ぜる「掻湯(かきゆ)」は、湯玉が大きく上ると吉(大漁満足)。笹を湯釜に浸し、湯を周囲にふり撒く「笹舞(ささまい)」。弓矢を持って舞い、四方に矢を放ち邪気を祓う「射祓(いはらい)」。赤い面の天狗が天下泰平を祈り力強く舞う中、黒い面の山の神が滑稽な仕草で参列者の緊張した心を解いていく「剣舞毛止幾(けんまいもどき)」。最後に参列者へ無病息災を祈念した沢山の飴や菓子が撒かれます。
住所:神奈川県三浦郡葉山町堀内1025(森戸神社)
交通:JR横須賀線「逗子」駅、京浜急行「新逗子」駅から
バス(葉山行き・海岸回り)にて「森戸神社」下車
日時:2018年6月16日
お問合せ:葉山町教育委員会生涯学習課 046-876-1111
●同時期(7月)開催のその他の祭り
江ノ島囃子(藤沢市江ノ島/八坂神社/7月8日)
禰宜舞(川崎市宮前/白幡八幡大神/7月15日)
監修:神奈川県民俗芸能保存協会会長 石井一躬
協力:葉山町教育委員会生涯学習課・森戸神社
写真提供:森戸神社(上)、葉山町教育委員会生涯学習課(以下全て)
羽能
湯座
射祓い
剣舞
菓子を撒く様