住みながらの工事について
先日、リフォームコンパス東京表参道店にE様がご来店くださいました。
E様は定年を迎えられたばかりの女性の方で、娘さんと犬と一緒に住んでいらっしゃるとのことでした。
事前に暮らしの診断シートからお問合せいただいていましたが、あらためてご計画について伺います。
お住まいは地域で手広く展開されていた工務店が建てた木造2階建ての住宅で、
築21年が経っているとのことでしたが、特に間取りの変更を希望されているという訳ではなく
耐震性が気になるため、水まわり全般や1階を中心としたリフォームと
使い勝手の悪いお部屋の用途変更などを希望されていらっしゃいました。
そしてご希望項目のひとつに、住みながらの工事というご希望がありました。
お問合せの中には、少なからず住みながらの工事を希望されているケースがあります。
もちろん、工事規模が小さければまったく問題のないことも多いので、
一旦ご希望として挙げていただくことは支障がないのですが、
規模が大きな工事になってくる場合、その分工事範囲が広範囲に及びますので、
実際にその中で生活ができるか、というと、非常に厳しくなるケースがほとんどなのです。
ひとつは生活環境の問題。
工事中の家の中は、想像を超えた「ほこりまみれ」の状態となります。
たとえ職人さんが奇麗に掃除をして帰ってくれたとしても、
舞い上がった埃は空気中を漂い、常に食卓は埃だらけといったことになるのです。
次に作業効率の問題があります。
住んでいる人がいたり家具が多く残された中では、そこでの作業はかなり悪くなり、
結局は長い工期になってしまったりすることがあります。
そしてもう一つ大切なのは、安全性の問題です。
職人さんが帰った後の現場というのは、実は家の中であっても危険が多く、
うっかり床を踏み抜いて大けがをされた、という事例がかなり存在します。
元々床があったところが無くなっていたり、思わぬ障害物があってつまづいたりと
怪我につながる要因をなくすことはとても難しい状況になるのです。
そういう意味では、工事規模にもよりますが、
住みながらの工事をされない会社も割と多く存在します。
もちろん、短期間で終わる単純な取替などの場合には問題ないのですが、
間取りの変更や工事範囲が多い場合など、リフォーム会社さんとよく相談しながら進めていただくことが必要と言えるでしょう。
E様の場合は、実は2階はあまり触る必要がないと思われたこと、
また1階部分についても、間取り変更を基本的に考えていらっしゃらないことから、
住みながらの工事を検討できる余地は残されているように思われましたので、
耐震補強などしっかり対応のできる会社を5社ご案内し、
その後2社をご紹介させていただくことになりました。
ぜひじっくりとご相談していただきながら、良いご検討をいただけたらと思います。
E様、ご来店ありがとうございました。
Kousuke Kitamura