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Tahara Koji/Works,Photo,Idea..

旅の始末 5  ~ 夜は、踊る ~

2018.05.01 20:05

旅に出てからもう1ヶ月。

でもコツコツとしつこく記録は載せていきますよ。

機材は相変わらずRICOH GXRとMountA12 。

レンズは  NikkorAuto 35mm f1.4とNikkorAuto 55mm f1.2。


フォーカスは手動なので、気分的には火縄銃で獲物をしとめていく感じですね。

滞在していた街ウブドでは、夕方になると元王宮前でバリダンスの公演チケットを売ってる人がたくさん立っていまして。その人からチケット買って、夜の公演を観に行くわけです。

毎晩舞踊と演奏のチームが変わっていくので演目も日々違います。

チケット代は100,000IDR。日本円で言うと800円弱といったとこでしょうか?

ちなみに9歳の娘はまだ無料で入れてくれました。

舞台はこんな感じ。手作り感いっぱいです。

会場に入ると眼の前に楽団の演奏する楽器が並びます。

真鍮濃度高し。どうやって作ったんだろう?とかついつい考えてしまいます。

楽団の人たちはもうずっとやってきてるせいなのか、

公演の開始時間ギリギリに駆け込んでくる人も多く、

眼の前でチューニングが始まったりもしていました。

個人的にはお得な感じです。

そして演目開始。

この日は僕の好きな儀礼舞踊のサンヒャンドゥダリからスタート。

それだけで結構興奮です。

女性の踊り手さんは地に足がつかない様に数人にかつがれてやってきます。

僕が生まれた兵庫県の祭りでも神輿に乗る6歳男子は祭りの日の1日は地に足をつけては

ならない決まりがあって、僕も子供の頃にずっと大人の肩車で移動していたことを思いだしました。

*サンヒャン・ドゥダリ(Sanghyang Dedari)とは、バリ島で見られる憑依舞踊であり、元来は、流行病や凶作を追い払うための儀礼舞踊であり、初潮前の少女が踊り子になる。今日のケチャの原型でもある。

この方は・・・。

もちろん演目なのでその正否はわからないのですが、お寺の住職的な方だと思います。

祈祷し、その場を清めてくれるわけですね。

踊り手の人も地に足がつき、儀礼用のかぶり物を装着して、いよいよ始まる感じです。

踊り出しはゆらゆらと。

2人の踊り手が目を閉じて舞うのがこの演目。

2人のシンクロ度合いが見せ所なんでしょうね。

ショーだと頭ではわかっているのですが、独特の尋常じゃない感じに心が震えます。

この踊りの本物の祈祷の様子とか観れたらすごいだろうになぁ。


余断ですが、バリの踊り手の方の手の表情というのは踊りに欠かせないものなのでしょう。

もの凄く手が美しく、ありえないくらい反ります。

ずっと訓練してこうなってきてるのでしょうが、それを思うと胸が熱くなります。

ゆら ゆらり。


ゆら ゆら。

それにしても衣装とかすごいな。

この作り込みが異界への誘いを呼ぶのかもなぁ。

ゆら ゆら。 ゆら。

踊りはガムランの音楽にのり ゆらりと静かに続くのですが・・。

ここで急に眼が『カッ』と開かれます。

ここから踊り手が精霊と交わりトランス状態になっていくのを表現しています。

踊る速度も増し、最後は踊り手が気を失ってしまう・・という流れ。

先ほどの住職みたいな人がまた現れて、倒れた踊り手に聖水をかけるとまた意識が戻り

よみがえる、というところでこの舞踊は終わります。



1回の公演で3〜4つの演目があり、次はトペンという仮面の舞踊。

森で精霊が遊んでいるところ という内容でした。

またこの人がよく動くんだよ。。

このお面が不思議と生き生きしてるところとこの衣装のすばらしさと、動かす度にカチャカチャいう爪。 総合的にとても素敵。


独特の息づかいとか。

揺れる衣装とか。

中の人の実力、表現力の凄さよ。

これはレゴンダンス。

踊り手の女性のグループでの演目です。


日本のアイドルグループみたいにセンター、とか立ち位置にはその踊子さんの経歴とか

いろいろ影響してくるんだろうなぁとか考えてみていましたよ。。

後列はどう見てもまだ若くてこれからを担っていく感じの人たちばかり。

前列はもう迫力満々のひとたちです。

それにしてもお化粧って、やはり立体感の強調なので必要なものなんだよな、

とか考えてみたりして。

もう、立体としてすばらしい!!

そんなことばかり思いながら追いかけておりました。

さて、またここから違う演目。

バリスダンスという戦士の踊りなのですが、これはその前の従者たちのコミカルな

掛け合いの様子。  いい顔されてますなぁ。。

そして、王子出た!!

出た!!王子!!

なんかすごく自分と親近感を感じてしまいました。

王子!は戦士なのですが、なかなかにナイーブでして、迷ったり悩んだりしている様子が

描かれます。

なんかもう自分で自分を撮ってる気がしてきましてね・・・笑

なんか魔物にからまれたり 最後は踊りで勝負だ! みたいなとこがあったような

気もしますがとにかくこの方の感じが興味深くて頭に入って来なかったのでした笑


公演は1時間半くらいに及び終わります。

終わったら余韻とか余りなくて、演奏者も踊り手も観客も速攻帰ります笑

なんか、国によっていろいろだなぁと思う夜なのでした。



もうしばらく、続く。。