【社長通信】生きがいについて
立春も過ぎ、梅の花もちらほら咲き出し、三寒四温を繰り返しつつ少しずつ春が近づいているこの頃です。
コロナ禍も4年目に入り、ウイズコロナといわれるなかでの暮らし方にも知恵が求められている。一方で信じられない事件・事故も多発している物騒な世の中です。くれぐれも自分の命は自分で守る、を心に刻んで緊張感をもって業務にあたりましょう。
さて、わが社の経営理念に「すべての人びとの幸せを目指します」とありますが、この中にはもちろん私たちも含まれています。質の高い警備サービスを提供する私たち自身が幸せにならないと人びとに対して真の幸せは提供できないと考えます。
そこで、この度は私が30代の頃に読み、感銘を受けた精神科医・神谷美恵子さんの名著「生きがいについて」を紹介したいと思います。要点をかいつまんで、私見を交えて記します。
私は、「幸せ」って何?と聞かれたら、「幸せの対象」と「幸福感」と答えるでしょう。
ふつう「幸せ」と言っている場合、幸せの対象を指している場合と、幸せを感じることを指している場合があります。
幸せの対象は、夢、目的達成、生きがい、仕事、何かを手に入れる、愛、家族、誰か人の役に立つ、社会に貢献する、いろいろな経験をする、生活を楽しむなどです。
様々な幸せの対象によって「幸せだなあー」と感じるのが幸福感です。
ということで、私の「幸せ」についての基本的な考え方は、この本での「生きがいは、生きがいの対象と生きがい感」というのを、そのまま「幸せ」に置き換えたものなのです。
ところで、本書の冒頭に「生きがいということばは、日本語だけにあるらしい」と書いてありました。
たぶん他の国の人たちは、みんな「ハッピー」(という意味の言葉)なのかもしれません。
生きがいを感じる心にはいろいろな要素がまざりあっている。
これをもしざっと感情的なものと理性的なものの二つに分けるならば、なんといっても生きがいについていちばん正直なものは感情であろう。ある人に真のよろこびをもたらすものこそ、その人の生きがいとなりうるものであるといえよう。
「あなたには生きがいがありますか?」ときかれれば「ある」と答える人も、「あなたは生きがいを感じて生活していますか?」と聞かれて「はい」と答えられない人もいると思います。
頭(理性的なもの)では生きがいだと考えられても、生きがいを感じられないのではあまり価値がないのではないでしょうか。逆に、日々の生活のなかでよろこびを感じられる人は、それが生きがいだと思っていいのだと思います。
自分には生きがいがあると言える人は、その生きがいを感じて生活したほうがいいでしょう。すでに幸せをもっている人は、その幸せを感じて生活できたほうがいいでしょう。
生きがいを探す時に重要なのは、自分がよろこびや生きがいのようなものを感じられるかどうかだと思います。
代表取締役 加藤慶昭(2月15日記す)