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yoyo

飯村周平『HSPブームの功罪を問う』

2023.02.17 13:17

先日読んだ『HSPブームの功罪を問う』。広く捉えれば『ラベリングの功罪を問う』ともとれる内容で面白かったです。


他者と比べて自身が特別だと思いたい。才能があると思いたい。それを活かしたい。自身をストーリーづけたい。他者に自身を説明されたい。ともすれば自己顕示欲のひとことでまとめてしまわれそうな人間の様々な欲の流れと社会の結びつきが章を追うごとにクリアになっていきます。


HSPだと思う。→名前がつくことで安心する。→他にもHSPの人がいて安心する。→HSPである人とない人で世界を理解/説明してしまう。→自分は少数派であり特別で、HSPでない人は特別じゃないという偏見に陥る。/自分は特別だからそれを社会に役立てたいと思う。→その気持ちを利用して商売にする人が現れる(資格ビジネスなど)。安心と偏見は紙一重なのだとひやひやする。もちろんこれは「罪」の面で、すべてのHSPの方が上記のようだということではないです。


平積みしてある繊細さんの本を見るたび、生きづらさがブームになるってどういうことだろう、そしてなんで表紙は女性ばかりなんだろうと思っていて手に取ったのだけど、そもそもHSPは生きづらさではないこと、尺度なので診断はできないし、少数派という見方はできないなどなど誤解していた部分も分かってよかったです。