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「おふろのおふろうくん」及川賢治 竹内繭子

2018.05.02 10:29

お風呂が嫌いな子どもってたまに聞きますけれど、自分はわりと好きだった気がします。

振り返り思い出してみても、なんだか楽しい記憶しか無い気がするので、間違ってはいないと思いますし、それに今でも好きです、お風呂。湯船に入らずシャワーだけの日も多くて、それでお風呂好き?と疑われてしまうかもしれませんが、お風呂が好きと言うのは例えば「温泉が好き」などと言うのとは違って、お風呂の、あの自分だけの空間が好きなんだと思います。

及川賢治さん、竹内繭子さんによる100%orangeの絵本「おふろのおふろうくん」はそんなお風呂の中のお話です。

お風呂が好きなおふろうくんが、お風呂の中で、想像の赴くままに船に乗り大蛸を釣り上げ、土砂降りのシャワーを浴び、潜水艦で潜り、とそんな楽しい冒険遊びをお風呂の中で繰り広げるのです。

お風呂の中ってずっと昔から、そんな風に想像遊びの楽園だった気がします。例えばこれと少し似た絵本、ジョン・バーニンガムの「もうおふろからあがったら、シャーリー」(この絵本大好きです!)もそんな楽園の様子を描いた絵本ですよね。

周りの音が遠ざかり、湯気で視界は曇り、お湯を出せばもう聞こえるのはその水の音だけ。

大人になった今でも、目を瞑って髪を洗っている時にはなんだか、自分が宇宙の片隅に放り投げられてひとりぼっちでふわふわ浮かんでいる、そんな不思議な気がしてきたりします。

お風呂は想像の楽園、言い換えればもうそこは半分フィクションの世界で、だから夢を見ているときと同じように、起きた時には夢の中のことは掌からさらさらと零れていってしまうので記憶は薄れ、今自分がしていたのはシャンプーだったのかトリートメントだったのか、はたまた身体は、顔は、もう洗ったのだったか…そうしたことが頻繁にわからなくなるのも、お風呂は想像の楽園だからなのです…。

本日は連休前なのでいつもより多めにオンラインストアの方は更新しておりますので、是非ご覧頂けたらと思います。

それでは皆様、良いゴールデンウィークの後半をお過ごし下さい。5月5日には庭園美術館ミュージアムショップBLANCさんに自分はおりますので、お時間合いましたらお立ち寄り頂けたら嬉しく思います。

当店の100%orangeの本の在庫はこちらです。