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Evidence Based Physical Therapy - 理学療法士 倉形裕史のページ

私たちはまだ、医学に関して経験『だけ』から学べるほどには賢くないです ③

2018.05.02 14:39

以下に書くことは、私の所属先などとは一切関係のない私の私見であり、文責は全て倉形個人にあります。


段々と違うテーマが書きたくなりつつありますが・・・・

同じテーマの①はこんな感じです。

今日は、


②医師の臨床成績は経験年数を積めば積めほど『悪くなります』

リハ専門職ではなく、内科医のデータ(しかもアメリカの)ではありますが。津川友介先生という、医師でカリフォルニア大学ロサンゼルス校で医療経済学を教えている先生の論文を含め、質の高い複数の研究で繰り返し報告されているので、恐らく真実です。『医師のデータだからリハとは関係ない』と言うのは簡単ですが、論文を読んでいくと、もし『リハ職は違う』と主張するなら、同じくらいの質のデータで否定しないと説得力がないな~と思わされます。


という所に関して詳しく書きます。

津川友介先生が、ご自身のブログの中で研究の成果をご報告されています。

繰り返し報告されていることとして、若い医師の方が治療成績がいいです。その理由として高齢の医師の方が若い医師と比べて、医学的知識が少なく、ガイドラインどおりの治療を行わないためとされています。

                         *津川友介先生のブログより引用


 ここからは私見ですが、おそらくリハビリ職種にも同じ傾向はあるのではないかと思います。ガイドラインのようなエビデンスをどうやって臨床場面で生かすかを教えられていないため、経験に頼ってリハビリ方法を選択せざるをえないからです。もちろん勉強されているベテランも、全く勉強していない若手もいると思いますが、平均すればリハビリ職種も若手の方が治療成績は良いと思います。

ただ、一点だけ注意すべきなのは、エビデンスベースドのリハビリを学ばずに、有名な(宣伝の上手な)ベテランリハ専門職が講師を務めるセミナーに出て勉強している若手はこの限りではないかもしれません。同じことをやっているならば、やっている回数の多い人の方がさすがに上手だと思うので。。。今は、たくさんの『セミナーを提供する団体』があります。学べる機会が増えるのは大変素晴らしいですが、真面目に自己研鑽をしている若手セラピストほど馬鹿をみて、お金も失うような卒後教育にならないような業界でいたいです。


自分も理学療法士全体の平均年齢よりも上です。自分よりも若手が受けてきた教育に敬意を払って、簡単に『私の経験では・・・』と言わないようにしたいものです。


最後までお読みいただきありがとうございました。

                 理学療法士 倉形 裕史