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すがはら家のさくらんぼ

受粉にまつわるエトセトラ

2018.05.02 15:28

農園の情報や農業雑学をお届けします。 

 初回のテーマは「さくらんぼの受粉」です。 


さくらんぼも桜の仲間で、白くきれいな花を咲かせます。 

例年、ゴールデンウィークの頭頃に開花し、さくらんぼ同士で受粉することで実がなります。


しかし、意外と知られていないのですが、さくらんぼは同一品種だけでは実がなりません。 

これはさくらんぼの木の増やし方に関係しており、接ぎ木という手法で木を増やしています。 

いわゆるクローンを作るわけです。このやり方自体は観賞用であるソメイヨシノなども同様です。


さて、こうして増えた同種のさくらんぼは遺伝子が同じため実をつけることができません。 

実をつけるためには、遺伝子の異なる多品種のさくらんぼから受粉する必要があります。 




パートナーは誰でもよいわけではない?意外とワガママなさくらんぼ姫


すがはら家では「佐藤錦」をメインに「紅秀峰」「ナポレオン」「紅さやか」「紅ゆたか」「南陽」などを生産しています。

この中で佐藤錦と結実できるのは「紅秀峰」「ナポレオン」「紅さやか」「紅ゆたか」です。 

「南陽」は佐藤錦と違う品種であるにも関わらず実がならないのです。 



結実の成否にかかわる要因としてはそれぞれの品種で持っているの因子が関係します。

佐藤錦はS3とS6の因子をもちます。 

佐藤錦と受粉できる紅秀峰はS4とS6です。S6は佐藤錦と被っていますが、S4は異なるため受粉樹にできます。 

南陽を見てみるとS3とS6です。これは佐藤錦と全く一緒の因子となり、結実できないのです。


※一部アイコンはフリー素材として以下のサイトより拝借しました。

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