踊る人から伝える人へ
スタジオも完成し、教室名も決まりました。
けれど、まだ何かが足りない・・・
言葉にならない漠然とした気持ちを抱えていました。
フラ教室を始めるために必要なものは揃ったように見えます。
(師事する師匠がいないから・・・?)
(インストラクターの資格がないから・・・?)
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補足ですが、日本ではフラ教室を開くにあたり、
特定の資格は要りませんし、師事する先生がいなくても問題ありません。
ところがハワイでは、『ウニキ』という卒業試験があって、
クムフラ(師匠のこと)からその試験を受け、
一定の合格水準に達していると認められて初めて人に教える事ができます。
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日本のフラ教室事情については、もちろん知っていました。
けれどもこのモヤモヤとした気持ちは消えません。
もしかしたら、資格を取ったら心境も変わるかもしれない。
そう思ってインストラクター養成学校まで行って資格を取りましたが、
残念ながら気持ちに変わりはありませんでした。
(資格はあくまで『肩書き』が増えただけでしかなかった・・・)
(私は教室の講師として相応しいのか・・・)
(こんな気持ちのままで指導にあたっていいのだろうか・・・)
(そうか、私が感じている足りないピースは
『フラを伝える自分へ許可を出すこと』だったのかもしれない…)
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ともみはこれまで
いくつもの困難、窮地が襲ってきても、
一筋の光がヒントのように現れ、そのきっかけを掴んで乗り越えてきました。
けれども教室開催に向けてはこれまでとは違った流れが起こっている、
そんな風にも感じていました。
(必要なピースは、探そうとしなくてもちゃんと『ある』はず・・・)
そのピースの場所を想い、感覚を張り巡らしてみても
心に浮かぶ場所はたったひとつだけ。
「うん!やっぱり『ハワイ』に行こう!」
ハワイに行きたい。
フラが生まれた場所、カウアイ島に行きたい。
そこに行ったら何かが分かるかもしれない。
決断すればするほど、ハワイに行きたい想いがどんどんと溢れてきます。
どうにかして行きたいけれど、なかなか家族に切り出せずにいたら
ふたたび 一筋の光がともみの前に差し込んできたのです。
つづく