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peanutjournal

春のお祭り、Valborg

2018.05.04 20:57


4月30日。

普段は穏やかなウプサラが、別世界になりました。



どこに行っても

人、人、人...


こんな人混み、ウプサラでは一年のうちでこの日しか見られません。


加えて、みんな飲んでいる。





スウェーデンでは公共の場での飲酒は制限されているんですが、その日は黙認の下みんな昼間から片手(いや、両手)にビール瓶で歩いていました。







これは一体なんの日だったのかというと…


「ヴァルプルギスの夜」という、中欧や北欧の伝統的な祝祭日。



スウェーデンではこれを「Valborg」(ヴァールボーリ)と呼び、「古いもの捨て、春を迎える準備をする」ための重要な行事として位置付けています。


(国によって規模やお祝いの仕方はだいぶ異なるようですが…!)



そのため、この日には冬の間に枯れ落ちた大量の枝や草木を一気に燃やします。


夜になるとスウェーデン各地でその日までに集められた草木の山に火が放たれ、人々はその巨大な炎を見送るのです。


(火の写真は最後!♡)





しかし、、


ここ学生街ウプサラは少し(いや、大分)事情が違う。




その「草木を燃やして春の到来を待つ」という本来のコンセプトからいつからか逸脱し、


ただ一日かけて学生(と、一般の住民)が我を忘れて飲む騒ぐ!


という日になってしまっていたのです。



ストックホルムでさえ慎ましく夜に炎を崇めるだけなのに、さすが学生パワーですね。




ということで、4月30日のウプサラは朝から夜まで街中パーティーのカオス状態でした。




では一体どんな一日なのか。


実際に私はそんなカオスな1日を体験したので、その経験をもとに1日の流れを書いていこうと思います。

(繰り返し言いますが、これから書く一日の流れはスウェーデンを代表したものではなくウプサラ限定のハナシ。)




●8:30「Champlain Breakfast」



まず、朝8:30にスウェーデン人の友人の家に集まってみんなで朝食。

私たちは自前のパンケーキビュッフェを楽しみましたが、朝食の内容はグループによって様々。

それよりも、シャンパンを飲むことがポイントなのです。





●10:00「Boat Race」


10時からは、街の中心部を流れる川でボートレースが行われます。

ボートに乗って競争したい、落ちたい、パワーある一部の学生がこの日のために自家製ボート(と、筋トレ?笑)を準備してレースに挑むのです。

これを観るために、学生のみならず住民たちは川沿いに集結するので、川周辺は人口密度マックス。

特にボートが転覆すると盛り上がり。


↑ここは1番空いていた場所の写真






●お昼〜午後「公園でピクニック」


午前中から街中を忙しなく動いた後、多くの人が一斉にある公園に移動し始めます。

なぜか、「Ekonomikum Parken」というある特定の公園に集結するのです。(他にも座る場所ならいくらでもあるのに)



ということなので、フードカートもその公園にこぞって待機している。

そこで各々レジャーシートを敷くなり椅子やテーブルを持ち込むなりして場所とりをし、太陽の素で友達とワイワイひたすらお酒を飲みます。


一方で、この時間に「Sill Lunch」を楽しんでいる人もいました。

Sillとはスウェーデン語のHerring、つまりニシン。

スウェーデンの行事でニシンを食べるのは一般的ですが、今回もSill Lunchがあったようでした。





●15:00 「Choir Concert」




15時には、街の中心部の丘の上にそびえ立つ歴史ある図書館で、スウェーデンのコーラス隊が屋外コンサートを開きます。

しかしまあ、それに集まる人の数がとんでもない…


スウェーデンでは高校卒業時に水兵さんのような帽子をもらうという伝統があります。

一生のうちでそれを使う機会はないそうなのですが、その例外がなぜかこのコンサート。笑


みんながこの時にもらった帽子を家から持ち出して被ってこのコンサートに集結するのです。

はい、それが伝統なのだそうです。で、コーラスの最後にはみんなが帽子を空に向かって仰いでその一体感を楽しむ…


ということなので、これには学生のみならず遠い昔に卒業したであろうご年配の方々まで年季の入った帽子を持って各々集まってくるというわけ。


そのため、図書館まえの人の数といったら…渋谷か新宿状態でした。





●日没後「Bon Fire」


そして日が暮れると何が起きるかというと、

そう、やっとその本来のメイン行事である「枝燃やし」です。


ちなみにこの枝燃やしの通称は「Bob Fire」。

当然のことながらBon Fireは市内の建物が密集したところで行う訳にはいかないので、大抵少し郊外の森の中の開けた土地などで開催されます。

複数箇所で行われていたようでしたが、私は一番大規模かつ正式に開催していそうだったGamla Uppsala(バイキング時代の遺跡が残ったウプサラの発祥とも言える地域)のBon Fireに向かいました。


日没後の行事ということで、枝に火が灯されるのが21時頃。ですが、聖火隊が現れる前に既にそこには大勢の人が集まっていました。

日没後とはいえ、まだ21時はうすら明るい夕方のような感じ。


そんな中で灯された火は瞬く間に広がっていき、大量の枝は一瞬にして巨大な炎の塊に変化しました。


空の色も徐々に変化し、炎も刻々とその大きさや様相を変える。


その全体的な風景はまさに、何か古いものを捨てて新しいものを迎え入れるのにぴったりな激しさと潔さ。

これは思っていた以上に幻想的で、流石本来の行事なだけあるなぁと思いました。


そして何よりも、どこか節目を感じさせるこの行事は私の中で留学の終わりということとオーバーラップして私は複雑な思いで涙目になってしまいました。笑






これが、私が経験した朝から夜までの中のメインのイベントたちでした。


ですがこの合間にも友達の家に集ってお酒を飲んでいたりととてつもなく忙しなかったです。



私の場合、一回限りの経験を逃すまいと有名などころのポイントを抑えようと必死だったので結果的に1日は上のようになりましたが、もちろん過ごし方はこれだけではないようでした。




例えば、イベントには参加せずにただひたすら1日パブで飲んだり家でパーティーをしている人も沢山いたし、追随した様々な独自のイベントに参加している人もいました。




きっと、街ぐるみのお祭りの雰囲気、人々の解放感に溢れた活気をただとにかく楽しむ、というのが最終的にはValborgの一番の醍醐味なんでしょうね。



しかし何れにしても、春の訪れに対する人々の心の中での喜びが無かったらお祭りもここまで大きくはならなかったと思うのです。


形的には春を迎えるという本来の目的を忘れているとはいえ、

この盛り上がり自体が存分に新しい季節に対する人々の喜びや解放感を反映しているように私の目には映りました。



スウェーデンのValborg、、。

長い冬ありきの面白い習慣なのではないでしょうか。