平成27年12月 月例インターネット句会 Vol.46結果発表
木暮陶句郎 選
◎特選 6句
夕映えて明日耀かす冬の雲(はたの としはる)
手袋の十指を頬に人恋し(星野 裕子)
咳込んで話の腰を折りにけり(堤 かがり)
別れゆく父母の山河や冬茜(はたの としはる)
ドア少し乱暴に閉め隙間風(堤 かがり)
寒いねとリップクリーム塗り直す(星野 裕子)
〇入選 25句
まだ雨の少し残りて冬の虹(峯岸 俊江)
足先で蹴散らす光霜柱(堤 かがり)
日短かいつかは捨てるものばかり(中野 千秋)
絶え間なく繋ぐ命や冬木の芽(清水 檀)
朝日受く日影日向の冬紅葉(阿部ひで希)
冬ざれのカーブミラーの曇りがち(杉山 加織)
用足しの道順手順夕時雨(稲葉 京閑)
安売りの白菜を積む宮の庭(阿部ひで希)
街並みに光り零して時雨虹(峯岸 俊江)
有限の時間愛しき師走かな(杉山 加織)
ジパングや銀杏落葉を敷きつめて(はたの としはる)
大北風に頬染め向ふ児逞しく(清水 檀)
外套に包む宴の余韻かな(中野 千秋)
北風に誇る全貌大赤城(脇 のぞみ)
一年間つられしたるみ古暦(稲葉 京閑)
萎れても太陽の色烏瓜(安部じゅん)
冬銀河ひかり地上に走り落つ(星野 裕子)
山茶花やこんなに散つてなほ咲いて(中野 千秋)
命とは膨らむものよ冬木の芽(杉山 加織)
落葉して樹木の孤独始まれり(星野 裕子)
山眠るクジラに抱かれ泳ぐ夢(安部じゅん)
木枯や少女の鳴らすリコーダー(中野 千秋)
剥き出しのプライド尖る冬薔薇(杉山 加織)
冬ざるる心の扉少し閉め(星野 裕子)
手袋を買ふ包装を辞退して(中野 千秋)
互選
6票
日短かいつかは捨てるものばかり(中野 千秋)
4票
落葉して樹木の孤独始まれり(星野 裕子)
3票
手袋の十指を頬に人恋し(星野 裕子)
冬ざるる心の扉少し閉め(星野 裕子)
寒いねとリップクリーム塗り直す(星野 裕子)
別れゆく父母の山河や冬茜(はたの としはる)
剥き出しのプライド尖る冬薔薇(杉山 加織)
命とは膨らむものよ冬木の芽(杉山 加織)
プラチナも金もダイヤもクリスマス(木暮陶句郎)
2票
咳込んで話の腰を折りにけり(堤 かがり)
山茶花やこんなに散つてなほ咲いて(中野 千秋)
外套に包む宴の余韻かな(中野 千秋)
真夜の咳胸に火花の散る如く(木暮陶句郎)
1票
柊の花を棘ある葉が隠す(稲葉 京閑)
用足しの道順手順夕時雨(稲葉 京閑)
冬銀河ひかり地上に走り落つ(星野 裕子)
絶え間なく繋ぐ命や冬木の芽(清水 檀)
ジパングや銀杏落葉を敷きつめて(はたの としはる)
落葉敷く九十九折れ坂ふかき黙(はたの としはる)
まだ雨の少し残りて冬の虹(峯岸 俊江)
街路樹の余韻消し去る時雨なり(脇 のぞみ)
飲兵衛が愚痴と意地呑むおでん酒(安部じゅん)
足先で蹴散らす光霜柱(堤 かがり)
宿題を正座でする子炬燵かな(堤 かがり)
木枯や少女の鳴らすリコーダー(中野 千秋)
手袋に邪魔されてゐる恋路かな(杉山 加織)
有限の時間愛しき師走かな(杉山 加織)
たましひも透けゆく日向ぼこりかな(木暮陶句郎)
片方のピアスなくして来し霜夜(木暮陶句郎)