HECP0357-『世界を変える家』
HECP0357-『世界を変える家』
HECPという〝家〟は基本的には貸席業です。つまり、私的領域と公的領域の接合点で、自宅公共化ー「シェアリングコミュニティ」です。普段から食材を置いているわけではない。客が来ると、出来るものは作るが、料理は予約に応じて近隣のお店や住民から取り寄せるのが基本です。
主客一体「もてなさず」の面からも「一見さんお断り」のシステムが機能しています。言い換えればこのシステムは実質的には「会員制」の仕組みとも言えます。ただ、会員制と言っても明確な規約やルールが存在しているわけではありません。言わば目に見えない「会員制」。たとえ規約がないと言っても、そこを訪れる多くのお客が快適に過ごせるよう、「一座建立」の暗黙の約束事を理解し、良識のあるマナーをわきまえた人間でなければ、〝家〟には出入りすることはできません。
もちろん、これはお金持ちかどうかということは関係なく、高額な入会金や会費でもって顧客を選別する、いわゆる「富裕層」向けの会員制クラブとは趣旨が全く異なります。
また、HECPという“家”は単に貸席業というだけではなく、地区におけるあらゆるエンターテインメントのエージェント的な役割を果たしています。
このように「一見さんお断り」は、〝家〟に遊びに来るお客が気持ちよく楽しく過ごせるように本当のおもてなしをするためには必要なシステムと言えるです。かつそのシステムを経済合理的に維持できるようにしている仕組みなのです。〝家〟には食事だけではなくて、雑貨、美術やフォーラムといった様々な文化が息づくところであり、その文化を〝家〟という舞台で主客が一体となって作っています。
また、家にとっては家主のプライバシーと近隣との関係が極めて重要であり、その時間性や空間性の引き算がHECPの『家』におけるパブリックスペースだと言えるのです。
HECP0357の家は、高齢者・障がい者・シングルマザー・被災者・難民のみなさまの自立独立支援と社会貢献事業におけるコンソーシアム・パートにより、カフェ、ギャラリー、ワークショップの運営などのインキュベーション・ハウスとしてご利用いただけます。
この小さな家でのプログラムは、起業に対する知識や経験もなく、資金も乏しく、小さな家にお住いの方で、社会的なしがらみが少なく、既成概念にとらわれない人々のための支援プログラムです。経済的メリットは決して大きくはないが、今までの考え方や生活スタイルを180度ドラスティックに転換することによって、周りから大きな尊敬を受け、そして、今後の人生を堂々と誇りを持って送ることができます。
また、コンソーシアム・パートとはそうした共通の目標に向かって資源を蓄える目的を持つ同志であり、心から理解し合える真の友人です。
尚、知識経験の豊富な方、資金のある方、大きな邸宅にお住いの方は、過去の成功事例や既成概念にとらわれ、現状肯定派のしがらみも多く、このプログラムにおいては非ターゲットになります。