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Heartfull Hand

二十四節気 雨水

2023.02.20 03:34

二十四節気 雨水(2023/02/19-2023/03/4頃)


雪が雨に変わり、大地が潤い、草木が芽を出し始めるこの頃は、春の盛りの始まりであり、花粉のピークでもあります。

梅や桃が綻び始め、変わりゆく自然の美しさを謳歌したい気持ちはもちろんありますが、花粉症の人にとっては何より辛い季節......。

そういうわたしも幼い頃からの付き合いですので、今から花粉症によいとされるハーブやスパイスを摂って、どうにか上手く付き合っていきたいと思います。


七十二候

○土脉潤起(2/19-2/22)

......「つちのしょううるおいおこる」。「脉」は動脈などの脈を意味する言葉で、雪が雨に変わる頃、凍えた土にゆっくりと雨が染み渡り、大地が潤っていく気配を感じられます。


○霞始靆(2/23-2/27)

......「かすみはじめてたなびく」。「靆」は雲のたなびく様を意味する漢字です。春の季語である「霞」が雲のようにたなびき、いつも見ている景色もどこか幻想的に見える、そんな頃。


○草木萌動(2/28-3/4)

......「そうもくめばえいずる」。土の中から草木の芽が顔を出す頃。そうあれるのも厳しい冬を乗り越えてこそだと思うと、人生もまた、忍耐あっての開花だということを植物に教えられる気がします。



祭事:梅見

梅というのは奈良時代に中国から入ってきた花で、今こそ「日本の花」と言えば桜を指しますが、かつては梅のことを意味していました。

730年、太宰府に赴任した大友旅人は、自身の邸宅にさまざまな身分の役人たちを呼び、「梅」をテーマに歌を楽しむ「梅花の宴」を開いたと伝わっています。

この梅花の宴で歌われた歌は『万葉集』にも記され、令和の元号の由来にもなりました。

太宰府は国防の要所と考えられた土地。その場所で異国から伝わった花を愛でるという当時の人々の思いは、いかなるものだったのか。

国は違えど、同じ花を愛でようとする彼らの姿勢には、深く優しい祈りにも似た、平和への願いを感じられる気がします。


参考文献

◇『絵でつづるやさしい暮らし歳時記』新谷尚紀

◇『七十二候の食薬レシピ』大友育美