インキュバスの苦悩
【インキュバスの苦悩】
※R-15です
多少のエロ表現を含みます
苦手な方はこちらをどうぞ るいんの台本一覧
♂2人 ♀1人 計3人
~15分
インク ♂ インキュバス。自称エリート。
ケイコ ♀ 普通の大学生(ドS・女王様)
ミユキ ♀ オタ女子(腐女子)
カイト ♂ ミユキの大好きな漫画の登場人物
※読み:夢力(むりょく)
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インク ♂ :
ケイコ・ミユキ ♀ :
カイト ♂ :
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インク「魔界随一と謳われる魔族学園を主席で卒業し、満を持して人間界にやってきたこの吾輩を前に、恐れ戦きひれ伏すが良いぞ、人間共。ふははははは」
インク「さて・・・栄えある我が下僕第一号は誰にしてやろうか・・・。おっ、ちょうど良い所に・・・。歳は・・・大学生ぐらいか?」
ケイコ「今週もこのドラマ面白かったぁ。毎回続きが気になるラストで・・・あー早く来週にならないかなー!」
インク「顔も・・・うむ。悪くない。美形でスタイルもなかなかだな・・・」
ケイコ「あ、明日一限からじゃん・・・早く寝なきゃ。あ、このレポートって今週末までだっけ・・・。まぁ・・・、何とかなるよねっ!」
インク「吾輩好みの明るそうで良いおなごだな・・・。よし、どれ・・・その美しい容姿の裏でどんな性癖を隠しているのだろうのぅ・・・」
ケイコ「おやすみなさい・・・」
インク「寝たみたいだな。ではでは、吾輩も活動開始とするかな」
インクM「ほぉ・・・ここがこやつの夢の中か・・・。どれどれ、んっ!?な、なんだっ!?縛られて・・・動けっ、ない・・・だと・・・」
ケイコ「あらぁ?あなた・・・見ない顔ね。くすっ、自分から縛られちゃって・・・、ほしがりさんなのねぇ・・・。そんなに私にしてほしかったのかしら?」
インク「お、お前はっ・・・」
ケイコ「反抗的でいい目をするじゃない。へー、そーゆープレイがお好みなのね?いいわよ。自分から縛られてるくせに、演技も上手じゃない。その調子で、私を楽しませてね?」
インク「くっ・・・やめろっ!吾輩は自分から縛られてなどっ・・・。ふぐぅっ!」
ケイコ「うるさい口ね。これでも咥えてなさいよ」
インク「んぐっう!んんー!」
ケイコ「良いじゃない、様になってるわよ?・・・それに中々・・・私好みの爽やか細マッチョ」
インク「んふー!んんふー!」
ケイコ「で・も、吾輩なんて言葉遣いはあまり好みではないわね・・・。口のそれ、外してほしいんでしょ?なら変えなさい、わかった?」
インク「ぷはっ・・・。吾輩が誰か分かっての、ぐほぉっ」
ケイコ「わからないの?吾輩じゃなくて、俺。わかるまで何度でも蹴っていくわ。ほら、早くしないと、これ。使い物にならなくなっちゃうわよ?」
インク「うぐっ、あがっ・・・わかった、わかったからぐごっ・・・まってくれ・・・。・・・はぁ・・・はぁ・・・。なんで俺にこんなことをするんだっ」
ケイコ「なんで?そんなの、楽しいからよ。す・ご・く♡興奮するじゃない♡」
インクM「これがこの女の、性癖・・・ってことか?」
ケイコ「はぁ・・・今度はだんまりかしら?」
インク「ちがうっ!待ってくれ!もう蹴らないでくれ!・・・どうすればここから解放してくれるんだ?」
ケイコ「解放?何を言ってるのかしら?お楽しみは、これからでしょう?」
インク「はくぅ・・・」
インクM「吾輩の夢力が効かないだと・・・。くっ・・・この女の夢に飲み込まれる・・・」
ケイコ「へぇ・・・、可愛い声も出るんじゃない。乳首が弱いのかしら?」
インク「んっ・・・くはっ・・・あ・・・んんっ・・・」
インクM「少しで良い・・・この女の気を逸らすことさえできれば・・・。んっ、あれかっ!」
ケイコ「いいわ、あなた。すごく良い。・・・あら?どこに置いたかしら・・・。おかしいわね・・・。ちょっと待ってなさい。大人しくしとくのよ?」
インク「・・・行ったな。今のうちにっ!淫夢強制終了!」
インク「ハァ・・・ハァ・・・。全く・・・ひどい目にあったものだ・・・」
インク「まさか、あんな普通の女子大生の本性が、ドSの女王様・・・だったとはな・・・」
インク「ま、まぁ!初めては誰でも失敗する者だ。吾輩とて例外ではない・・・。しかーし!吾輩は同じミスは二度は犯さぬ!次はもっとしっかりと見極めてから・・・」
ミユキ「あぁ・・・カイト様ぁ・・・。今日も輝いてるっ!・・・尊いっ!」
インク「なんだあのおなごは・・・。男キャラの描かれた大きなポスターに話しかけているぞ・・・。あれだな・・・所謂、オタク。と呼ばれている人種か・・・。うん、ないな」
ミユキ「壁ドン、からの顎クイ。ダメ押しの股ドンッ!あぁぁぁぁあああ!良き!もはや神!」
インク「・・・いや、待てよ。さっきは普通そうな見た目で中身は変態だった・・・。つまり、変態そうだが実は中身は・・・ってことなのではないのかっ!流石吾輩!そこに気が付くとは!」
ミユキ「あぁ・・・もうだめ。この二人の絡みヤバい。死ねる・・・」
インク「ん?・・・ベットに倒れ込んで、動かなく・・・。まさか本当に死んだのかっ!?」
ミユキ「はっ!危ない危ない。妄想の世界に旅立つところだった。続きはちゃんとお布団の中で・・・。よね」
インク「動いたっ!・・・ふむ、今度こそ寝るようだな・・・」
ミユキ「おやすみなさい・・・」
インク「先ほどのような失敗を繰り返さないためにも、少し様子を見てみるか・・・。それ、どんな夢を見ておるのかのぅ・・・」
ミユキ「だめっ・・・近いよ・・・」
カイト「なにが?ダメじゃないだろ?」
ミユキ「耳元で囁か、ないで・・・。息が、当たって・・・」
カイト「耳が弱いことぐらい、知ってるよ。他にもこっちとか・・・」
ミユキ「んっ・・・」
インク「これは・・・とてもいいじゃないか。あの男はさっきのイラストのキャラだな。よっぽど好きなのだな・・・。つまり、今吾輩があの夢に入れば、あのカイトという男になるわけか。良いだろう。我が力の前に組み敷いてやろうではないか」
カイト「やだやだって言うわりには、体は素直なようだけど?」
ミユキ「だって・・・カイトが・・・」
カイト「オレが、どうしたって?」
ミユキ「・・・い、言えない」
カイト「ほら、言えよ」
インクM「あ・・・れ?なぜだ・・・。夢の中に入ったはずなのに・・・、女も男もどちらも見えておるぞ・・・?」
ミユキ「うそっ・・・。タケ、ル・・・?」
カイト「タケルっ!・・・今更、なにしに来たんだよ・・・」
インク「え・・・?あれ・・・?え・・・」
ミユキ「タケル、ごめんなさいっ!これは・・・ちがうのっ!」
カイト「突っ立ってないでなんとか言えよ!お前の女がこんな姿にされてるんだぞっ!」
インク「・・・嫌だったんだ。こんな風に、この関係が壊れるのが・・・」
インクM「なんだこれ・・・勝手に言葉が口から出る・・・ぞ・・・」
カイト「もうおせーよ・・・。ずっと前から壊れてただろ。お前がミユキと付き合ってから・・・。いや、もっと前。俺たちの、それぞれ気持ちに気付いた時にさ」
インクM「なんだ・・・これがこの女の夢力だと、言うのか・・・。違う。吾輩はタケルではない!タケルなど知らぬぞっ!」
ミユキ「やめて!私がいけないの・・・、私が無理言ってタケルに・・・」
インク「ちがうっ・・・俺が悪いんだよ・・・。きっと、もっと良い方法があったはずなんだ・・・。もっとうまくいく方法が・・・」
ミユキ「・・・ごめんなさい」
インク「ミユキ・・・、何も言わずにいなくなってごめん。ミユキの気持ちはうれしかった。けど、やっぱり俺には答えることが出来ないよ・・・」
ミユキ「ううん。いいの・・・」
インク「それにカイトも、ごめん。一番苦しんでたのは、カイトだよね・・・」
カイト「っ!・・・知ってたのか?」
インク「うん・・・。そんな事あるわけないって、ずっと言い聞かせてたけど・・・」
インクM「何をだっ!?何を知っているというのだっ!?」
カイト「そっか・・・。ミユキごめん。オレ、タケルに話さなきゃいけないことがあるんだ」
ミユキ「・・・うん。いいよ、行ってきて」
カイト「タケル・・・。オレは・・・、タケルが好きだ。男同士だとかもう気にしない。たとえ引かれたとしても・・・、嫌われるとしても。伝えずに後悔するのはもう嫌なんだっ」
インク「うん。・・・俺もお前が好きだって気付いた。ミユキには悪いけど、これが俺の本当の気持ちだよ」
ミユキ「ううん・・・いいの。むしろ最高!もっとやって!」
インクM「なにが起こってるんだ!?なぜ吾輩は男に告白を!?」
カイト「・・・本当か。オレ・・・もう抑えれそうにないぞ?」
インク「抑えなくていいよ。・・・でも、優しくしてほしいな?」
カイト「んっ・・・(リップ音)」
インクM「まてまてまてー!何が楽しくて男同士でキスなんかっ!!!」
ミユキ「あぁ・・・尊い・・・。これが天国・・・?」
インクM「この女もなんでこんなにも悦に浸っておるのだっ!?自分の好きな男だったのではないのかっ!?」
カイト「タケル・・・・、こっち。もっとオレを見ろよ」
インク「んくっ・・・カイ・・・ト・・・。はっ、くぅ・・・」
カイト「ずっとこうしたかった。お前をこの手で・・・こんな風に・・・」
インク「なんで、そんな・・・慣れてるんだよ・・・」
カイト「ん?別に慣れてないよ。俺だってすごくドキドキしてる。ほら・・・」
インク「・・・すごい」
カイト「聞こえるだろ?オレの心臓の音」
インク「一緒・・・だね。・・・俺も心臓が壊れそうだよ」
カイト「知ってる。これだけ触れてるんだよ。伝わってきてるよ。んっ・・・(リップ音)」
インク「カイト・・・。んっ・・・(リップ音)」
カイト「顔真っ赤だぞ、そんなに緊張するなよ」
インク「そんなこと言ったって・・・」
ミユキ「あぁぁあああああん!もうだめっ!尊過ぎる!最高!なにこれ!死んじゃう!キュンキュンする!!!」
インクM「っ!?女の夢力が弱まったっ!今ならっ!!!」
カイト「っ!?タケルっ!?」
インク「淫夢強制終了!・・・ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・」
ミユキ「ん・・・んー?もう朝?・・・まだ2時じゃん。・・・なんか凄く幸せな夢を見てた気がする・・・。なんで起きちゃったのよ・・・私のバカぁ・・・。今寝ればもう一回見えるかな・・・?おやすみなさい・・・」
インク「ハァ・・・ハァ・・・。なんとか逃げ出せた・・・」
カイト「タケル、何言ってんだ?夜はこれからだぜ?」
インク「え・・・?うそ・・・なんで・・・」
カイト「ほら、・・・今夜は寝かせねーぞ」
ミユキ「半裸で抱き合う美男子×美男子!ドキドキの初夜!!!」
カイト「『今夜は寝かせねーぞ』」
ミユキ「あぁぁあああん!何度でも再生しちゃう!夢最高!もう夢から覚めないで!一生このまま見ていたい!」
インク「いやだぁぁぁぁあああ!!!誰かここから出してくれぇぇえええ!!!」
カイトN「その後、魔族学園インキュバス科には『現代女子の生態学』という科目が追加され、インクが教鞭をとって居るとか居ないとか・・・」
ミユキN「生徒から『ヘタレ受け先生』と呼ばれているとかは、また別のお話」
インク「人間の女怖い・・・」