L.v.ベートーヴェン 弦楽四重奏曲 第8番 ホ短調 作品59-2《ラズモフスキー》第2番
2023.02.20 15:00
終曲はベートーヴェンの《ラズモフスキー》第2番です。
当夜は弦楽四重奏を生み出し、発展させたウィーンの3巨匠による名作揃い。
福岡発弦楽四重奏団、2年目にしての大きな挑戦です。
生まれたての弦楽四重奏団を見守っていただきますようお願い申し上げます。
L.v.ベートーヴェン
弦楽四重奏曲 第8番 ホ短調 作品59-2《ラズモフスキー》第2番
《ラズモフスキー》弦楽四重奏曲、全3曲は、ベートーヴェンが難聴と孤独の苦しみを乗り越え、傑作を次々と生み出した《傑作の森》と呼ばれる時期の作品です。
同時代作品は《英雄交響曲》。
ベートーヴェンは、この《ラズモフスキー》弦楽四重奏曲において、規模と内容の壮大さ、交響曲を彷彿させる響きの豊かさなどを実現しました。
それによって、これまでの自他の弦楽四重奏曲とは一線を画する革新的な作品へと至らしめ、かつての師ハイドンのように、弦楽四重奏に新しい扉を開いたのでした。
楽曲のタイトルはベートーヴェンのパトロンの一人でありますウィーン駐在ロシア大使、ラズモフスキー伯爵に献呈されたことによります。
そして、この曲集を生み出すに貢献したのは、パトロンの伯爵だけではありません。
初演を担った伯爵お抱えの四重奏団です。
この四重奏団は、この曲集以前の作品18、晩年の後期四重奏曲まで、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲全ての創作実験に携わったのです。
第2番は内省的な作風で、絶望期の心境、それを乗り越えて新たに邁進していく決意を語ようです。
特に第2楽章は敬虔な祈りが込められた厳粛な音楽で、深遠な後期弦楽四重奏曲を彷彿させます。
難儀と闘っている、闘った全ての人に共感する、私たち人間の至宝の1曲です!