HGFC ガンダムローズ レビュー
2023.02.22 11:52
今回のレビューは、1/144スケール ハイグレード より、
“HGFC ガンダムローズ” です。
“機動武闘伝Gガンダム” より、第13回ガンダムファイトに出場したネオフランスの代表で、のちに新生シャッフル同盟の一員となる “ジョルジュ・ド・サンド” が搭乗したモビルファイター、
“GF13ー009NF ガンダムローズ” が、
プレミアムバンダイ限定のハイグレードフューチャーセンチュリーで発売されました。
新機動戦記ガンダムWに登場した5機のガンダム(初期型)がコンプリートされたので、次は1作遡ってGのシャッフル同盟コンプリートという展開・・誰が想像できたでしょうか。
てっきり次はSEEDあたりに行くのかと思ったのに。
Gガンダムというと、ガンダムシリーズのなかでもとくに異色の作品で、なんとなく不人気という印象が長らくあったのですが、実はコアなファンがいるんだなと、最近わかってきました。
リアルタイムで放送されていた頃、僕は高校生でしたが、最終盤の数話を観ただけで、以降も通しで見たことはありません。
ただ、スパロボやGジェネなどのゲームを通じて、だいたいのあらすじは知っています。
ぶっちゃけ、当時はこれがガンダムか? と思ったクチです。
しかし今にして思えば、Gガンダムの存在が、ガンダムシリーズ全体の間口を一気に拡げてくれたのかな? とも思います。
Gガンがなければ、今の水星の魔女もなかったかも。
ガンダムファイトと決闘、似ています。
Gガンの、出てくるMSがほぼガンダム(ゲテモノ含め)という部分は、ガンダムという機体の特別感を薄めた感はなきにしもあらずですが。
その後、W、Xと複数のガンダムとパイロットがメイン級で活躍するというフォーマットを最初に提示したのもGガンでしたね。
さて、そんなGガンダムですが、主役であるシャイニングガンダムとその後継機であるゴッドガンダム、ライバルのマスターガンダムなどは比較的頻繁にキット化されるなか、ほかの機体はなかなかその機会を与えられませんでした。
まぁそれも、アナザー系ではよくあることですね。
先に言ったWの5Gですら、HGで揃うまでに実に9年もかかっています。
9年・・? いやいや、そんなのたいしたことない。
HGFCゴッドガンダムが発売されたのは12年前だよ。
正直、なんで今? とは思いましたが。それに、まずローズかよ・・というね。
ドモンに続くシャッフル同盟の2番手がジョルジュですか。
チボテー(マックスター)かサイ・サイシー(ドラゴン)のほうが無難だった気もするのですが、Wのときにサンドロックから再開したように、これも残り4機すべてを発売するために考えられた順番ということなんでしょうかね。
ファンならどんな順番でも全部買うけどなぁ。
一般販売ならともかく、プレバン限定だし。
そもそもコアなファンしか買わないだろう(本来は)。
それでは、レビューしていきます。
キットはパチ組みに最低限の墨入れ、一部塗装と付属シールでの仕上げです。
GF13ー009NF ガンダムローズ
第13回ガンダムファイトに出場したネオフランス代表、ジョルジュ・ド・サンドが搭乗するモビルファイター。
サーベルによる接近戦と遠隔誘導兵器、ローゼスビットによる遠距離線を使い分けるテクニカルな戦法が持ち味です。
ガンダムファイター(パイロット)のジョルジュは騎士道精神に溢れ、レディファーストを尊ぶ貴公子然としたキャラクター。
プライドの高さがときにキザな言動をとらせてしまうこともありますが、当然ファイターとしての熱い心も持ち合わせています。
ネオフランスの王女、マリアルイゼには絶対の忠誠心を捧げています。
また、幼い頃から傍にいる執事、レイモンドは彼の剣の師匠でもあります。
デザイナーの大河原邦男氏いわく、ナポレオンをイメージしたという通り、帽子を被ったような頭部と左肩のマントが特徴的。
兵器であるモビルスーツ(MS)ではなく、あくまで競技試合用のモビルファイター(MF)であるというとことろで、正直あまり実戦的とはいえない感じのデザインにGガン風味を強く感じます。
そう思うと、GガンのHGシリーズの再開(?)に相応しい機体だったかも。
今回のHG化にあたり、先日(といってももう半年前ですが)発売されたRG ゴッドガンダムと並べても大きく違和感がない程度にアレンジ、プロポーションの調整が行われているようですが、当然、HG ゴッドガンダムやシャイニングガンダムと並べても問題ないはず・・て、そっちが本来だから(笑)。
それでいて大河原デザインをしっかり感じられる絶妙なラインで立体化されていると思います。
背面。
ジョルジュのイメージでなんとなくローズにもスマートなイメージがあったのですが、脛などは案外ボリュームのあるデザインで、全体を見ても実はゴッドやシャイニングよりもがっしりしてるんですよね。
こうなると、ボルトガンダムがどれだけでかくなるのか楽しみです。
ちなみに、間接部などのパーツはランナーのタグ名が “Gガンダムフレーム1” となっているので、今後の展開も確定としてよいでしょう。
でも、Wのガンダムたちのときもちらと思ったんですが、別のところで作られているのに間接とかハンドパーツとかがまったく同じものになるのはおかしいですよね。
Wはまだ、5人のガンダム開発者がそもそもの同志だから、同じ規格を使ったのかもと思えるけどGはなぁ・・(厄介オタク)
フランス国旗同様のトリコロールカラーで彩られた本体の色分けは、細かいパーツ分割でほぼ完璧です。
上腕の赤いダクトのみシールでの再現になりますが、脛前面のスラスターなおは内部までパーツで色分けされています。
頭部(帽子)の左右の先っぽのダクト部分まで分割されてますよ。
さらに内部に貼るシールもありました。
墨入れで済ませましたが。
左肩アーマーのマントは前後と側面で5つのパーツに分かれていてそれぞれ可動。
右の肩アーマーは側面の2個飾りのみ別個に可動します。
両肩のアーマーを外すとこんな感じ。
左右をアーマーを入れ換えて取り付けることも可能です。
腰部サイドアーマも左右を入れ換えれば左利きローズにできますし、キットを2つ使えば両肩にマントを羽織り、両腰にサーベルを刷くこともできます。
武装・ギミック
コアランダー
ガンダムファイターたちが普段移動用に使い、ファイト時はモビルファイターの背面に合体してコクピットとなるホバークラフトタイプのビークル。
キャノピーは色分けされておらずシールを貼る仕様ですが、今回はマーカーで塗装しました。
機体を立ててコクピットを90度折り曲げ、さらに下方にスライドさせることでMF本体への合体形態に変形。
そのまま本体の背部に合体。
左右のジョイントでしっかり固定されます。
シュバリエサーベル
ガンダムローズのメイン武器。
本来実体剣のはずなんですが、刀身はビームサーベル用のエフェクトパーツになっています。
保持には汎用の持ち手を使用します。
劇中ではフェンシングのような突き攻撃がメインだったと思うので、やはりここは専用のハンドパーツも欲しかったところ。
通常は左の腰部サイドアーマーに鞘に収めた状態でマウント。
鞘の接続基部は回転します。
なお、柄を外した状態の鞘は軸が出ている状態なのであまり見栄えがよくありません。
ローゼスビット
左肩のマントの内部に収納されている遠隔誘導型の攻撃端末。
このアイデアは大河原氏ではなく、アニメ総監督の今川泰宏氏によるものだとか。
薔薇の花を模した形状で、収納および移動時の蕾形態から、攻撃時の開花形態に変形しますが、今回付属するのは開花形態が4基のみ。
実際の装備数は不明ですが、少なくとももっといっぱいあったはずだけど。
あと、明らかに本体に対して今回のビットはでかいです。
こんなのマントの中に入らないだろ・・
あくまでイメージ再現ということですかね。
Gガンの世界観ならば許される。
銃口部分は黄色ですが色分けされていないので、マーカーで塗っています。
あまり綺麗には塗れてませんが・・
後部のスラスターには3㎜穴が開いているので、汎用の3㎜軸スタンドなどで浮遊、攻撃状態のディスプレイが可能。
ビット攻撃時に標的を指し示す専用も右指差し手も付属します。
ほかに、先ほど全体画像で取り付けていた左右の握り手(穴なし)が付属しています。
また、マントからビットが射出される状態を再現できるエフェクトパーツが付属します。
マント裏のディティールもしっかり再現されています。
色分けもの都合もあるのですが、結果として積層構造いなっていてシールドとしての説得力もあるボリュームになっています。
さらに、今川氏考案の新ギミックとして、マント自体を分離展開、さらにビットを射出するという大技(?)を再現するための専用エフェクトパーツが付属。
支柱パーツは真ん中でボールジョイント可動するようになっています。
ビットの射出エフェクトも、多少向きを変えられる程度には回転させられます。
同梱のアクションースと合わせて、ローズ本体を含めたディスプレイが可能です。
う~ん、これはまぁ、面白い試みだとは思うんですが、個人的には微妙だなぁ。
こんなことよりも、普通にローゼスビット単体でディスプレイできる支柱パーツが欲しかった。
今回付属のものは、ブーストエフェクトと一体になっているのに、マントの裏にしか取り付けられないんだもんなぁ。
そもそも必殺技ならローゼスハリケーンがあるんだから、そっちの再現が先だろう、と。
あと、アクションベースももう要らないですね・・
クリアブルー成型だからほかにも使いにくいし。
これがなければ、価格がもう500円ほど安くなっていたと思うとなおさら。
今後発売されるだろう残りの3機についても、同じように新ギミックが追加されるんでしょうかね。
で、それぞれのイメージカラーのアクションベースもまた付いてくる?
比較画像
HGFC シャイニングガンダムと。
それぞれのデザインにお国柄が出ている・・シャイニングの場合はよくわかりませんが、とりあえず設計思想というか、戦闘スタイルは見ためにもまったく違うと思わせる両機です。
シャイニングのほうが腕も脚も細いですけどね。
同じくゴッドガンダムと。
ゴッドのほうがかなり背が高いですね。
設定だと全高で30㎝ゴッドのほうが高いんですけど、そんなもんかな?
両キットの間には12年もの年月の隔たりがあったわけですが・・少なくとも見ためにはそれを感じさせませんね。
ただこのゴッド、こうして立っているのがやっとというくらいに体幹がへろへろです・・
コアランダー比較。
ローズのものを挟んで向かって右がシャイニング、左がゴッドのコアランダーです。
ゴッドのコアランダーは極端に大きく、戦闘機的な機能も追加されているようです。
ローズやシャイニングのコアランダーは、あくまで移動用という感じですね。