柿岡地磁気観測所
戦前のアマチュア天文家(4)
1941年(昭和16)頃、横浜すばる会が訪問した、柿岡地磁気観測所の様子です。
「日本における地磁気定常観測は、第1回国際極年観測(1882年~1883年)を契機に1883年(明治16年)東京市(当時)赤坂で始められました。その後柿岡(茨城県石岡市)に移転し、地磁気観測所として、1913年(大正2年)1月から現在まで、約100年の間継続して地磁気観測を行っています。
地磁気観測所は、気象庁に所属する機関(施設等機関)の一つとして、地球磁気、地球電気に関する観測および調査を担当しています。柿岡に本所、大空町女満別(北海道)と鹿屋市(鹿児島県)に、それぞれ女満別観測施設、鹿屋観測施設を置き、世界各国の観測所と連携しながら、地磁気の定常的な観測を行っています。また、父島(東京都小笠原村)にも観測点を設置し、地磁気を観測しています。」(気象庁地磁気観測所HPより引用)
柿岡での地磁気観測所決定には、高名な物理学者である、寺田寅彦氏の貢献が大きかったようです。
横浜すばる会は、1937年(昭和12)に創立しました。森久保茂氏が復員し、1947年(昭和22)に再発足しました。メンバーには、往年の浅居正雄氏、堀田恭生氏、水谷俊海氏、中野繁氏、鈴木安兵衛氏、そして新たに、河原郁夫氏、篠崎福次氏が加わりました。1950年(昭和25)、横浜すばる会は解散し、森久保氏は川崎天文同好会結成へと動きました。
地磁気観測所のHPを見ると、建築後100年を迎える建物がまだ存続していることが分かり驚かされます。
(参考文献)
日本アマチュア天文史,日本アマチュア天文史編纂会,恒星社厚生閣,1987
気象庁地磁気観測所HP
(写真は全て伊達英太郎氏天文写真帖より)