Ameba Ownd

アプリで簡単、無料ホームページ作成

麻雀ぐぅ~ぐ

2月23日(祝)晴れ

2023.02.23 06:26

こんにちは。麻雀ぐーぐです。


気持ちのいい天気ですね。最近少しずつ日中暖かい日が増えてきてました。冬の終わり、春の訪れが近そうです。


とりあえず何も考えずにのんびり麻雀打ちますか。


さて、お休みだった昨日は例によってビールを飲み過ぎまして今日は朝から頭が痛いです。とはいえ、店内はいい具合のブログ日和。こんな日を逃すわけにはいきません。久しぶりに気合を入れて書いていこうと思います。


いつだったか予告していたパチスロデビュー戦のお話です。

無駄に長くなりそうなのでお暇なときにでもどうぞ。





――2002年7月某日。


19歳になったばかりの僕は会社の先輩であるウエダさん(仮名)と共に、神奈川県大和市にあるパチンコ店「マリーン」の入口に並んでいた。


時刻は17時15分。定時である17時きっかりに仕事を終え、車で真っ直ぐマリーンへ辿り着いた。


「リーチちゃん、入口が開いたらとりあえずダッシュだからな。」

「・・・は、はあ。ダッシュするんですか?」


正直、僕は乗り気ではなかった。

だが、ギャンブルの誘いに関しては、余程のことがない限り断らないと決めている僕は、渋々ウエダさんの誘いに乗った。


きっかけは僕が競馬と麻雀が好きだとウエダさんに話したことだった。


「リーチちゃん、パチスロってやったことある?」


昔からパチンコやパチスロに興味はあったものの、僕は手を出さないと決めていた。機械相手の勝負なんて勝てる気がしない。


「今日マリーンで新台入替があるから一緒に並ぼうよ。」

「やったことなくても大丈夫だって。俺が教えてあげるから。」

「あの店の新台は熱いから絶対勝てるよ。」



――8台導入されるという新台「ネオプラネットXX」は、18時の時差オープンに合わせて開放される予定だという。


マリーンは会社から駅までの道すがらに位置していた為、何人かの帰宅途中の会社の人間に声を掛けられる。


「よー。ウエちゃん。新人と一緒にパチンコかい?」

「ったく、2人して何やってんだよ。今日は出るのか?俺も並んじゃおうかな。」


パチンコ屋に並ぶことなど初めてだった僕は、恥ずかしくて堪らなかった。


そんな僕をよそに、ウエダさんは、会社のおじさん達の軽口に対して軽快な返しを見せ、

ウキウキした表情で開店を心待ちにしている様子だった。


「間もなくオープン致します!」


先頭から5番手、6番手に並んでいた僕達の後ろには7、8人の客がいただろうか。


「あれ、新台は8台って言ってたよな。」

「いちばん後ろのほうの人達は新台じゃなくて他の台を打つのかな・・・。」


そんな僕の疑問に対しての回答は、開店と同時に出されることとなる。


「それではオープン致しまーす!走らずにゆっくりお進み下さい!!!」


店のドアが開くや否や、全員が一斉に店内になだれ込んだ。

僕はそのあまりの勢いに立ちすくみ、次の瞬間、後ろから来た客に思い切り弾き飛ばされた。


「え???」


最初に並んでいた列などは、もはや関係なくなっていた。

僕はひとり入口に取り残された。


「え???え???」


仕方なく小走りで皆が向かった方向に行ってみると、ウエダさんは既に新台の席に座っていた。その右隣の席がひとつ空いている。


その席を指差して、ココ、ココ、座れ、と言っているように見えた。

店内の爆音にかき消されてウエダさんの声は僕に届かない。


僕はその席に座ろうと思ったが、ふと見ると、台の下皿にタバコが入っていた。

これが何を意味するのかは、初めての僕にもなんとなく理解できた。


僕はジェスチャーで、ココにタバコ入ってますよと、ウエダさんに伝えた。

ウエダさんは、このタバコ俺の、とジェスチャーで返してきて、そのタバコをひょいと取り上げた。


ああ、なんだそういうことか。ウエダさんが僕の分の席まで取っておいてくれたのか。


ありがとうございます、と口パクで伝えつつ僕がその席に座ろうとした次の瞬間、斜め後ろの方向から下皿に向かって別のタバコが投げ入れられた。


「え???え???え???」


あまりに非日常的な出来事の連続に、僕の頭は追いついていなかった。


ジュンバンはマモルベキでしょ。

セキはユズリアウモノでしょ。


結局タバコの主と一悶着あったが、ウエダさんが話をつけてくれて、僕は無事に新台に座れることとなった。


事前に用意しておいた大量の千円札のうちの1枚をポケットから取り出し、メダルに交換する。

シマにいる全員が、慣れた素早い手付きで黙々と台をブン回している中、僕だけはひとり、ゆっくりとレバーを叩き始めた。


僕は集中していた。1ゲーム1ゲーム、7の図柄を揃えるべくしっかり狙ってボタンを押す。しかし何度やっても揃わない。

数ゲーム回したところで、そんな僕を見かねてウエダさんが声を掛けてきた。


「リーちゃん、7なんて狙わなくてもいいから。あんまり時間ないからとにかく早く回したほうがいいよ。」


おいおい、ウエダさん、何を言っているんだ。


僕は以前、何かのテレビ番組でパチスロの特集をしていたのを観たことがあった。

そのときの記憶は強烈に残っている。


アイドルかなにか知らないが、きれいなお姉様方が、キャッキャ、ウフフとパチスロを打っている。だが、何度やっても図柄は揃わない。

そこにパチプロと呼ばれる男がやってきて1ゲームでタン、タン、タン、と7図柄を揃えて見せたのだ。

僕はその番組を観たときに、大人になっても絶対にパチンコ屋に入ることはやめようと決意した。


プロと呼ばれる存在がいて、素人はいくらやっても7を揃えることができない。

それが番組の印象だった。


しかし、こうして先輩に誘われて足を踏み入れてしまった以上は全力を尽くす。

素人だし負けるのは仕方ないとしても、やる以上はベストを尽くすのが男ってものだろう。


「そんなに早く回したって僕は7の図柄見えないですよ。それじゃ勝てる訳ないじゃないですか。」

「リーちゃん、毎回7を狙っても揃うわけではないんだよ。まず揃えられる状況になるまで回すの。」


僕には言っている意味がわからなかった。


ただ、確かに周りを見てみると、7の図柄を毎回狙っている人間など僕以外にいなかった。

僕は半信半疑のままゆっくりと回し続けた。

早く回してたくさん負けるのが嫌だった為、とにかくゆっくりと回して時間を稼ぐ作戦にした。


「あ、リーちゃん、それもうたぶん入ってるよ。今なら7が揃うから狙ってみ。」


僕は言われた通りに7の図柄を狙ってみた。

が、揃わない。


「ちょっと押すタイミングが早い。もう少し下のほうに止めるイメージで。」


しかし、揃わない。


数回失敗したところで、見かねたウエダさんが横からボタンを押してくれて、僕の目の前の画面に7の図柄が3つ並んだ。


これが僕の人生初めてのビッグボーナスだった。



・・・結局この日、2人で閉店間際まで打って、ウエダさんは4万円、僕は2万円程勝った。


最後まで目押しはできなかったけど、初めてのパチスロで負けなかったことにホッとした。

勝てた喜びよりも、負けなかった安堵のほうが大きかった。


「リーちゃん、スロットおもしろいだろ!また行こうな!」


だが、ウエダさんには悪いが、このとき僕はおもしろいとはあまり思っていなかった。やっぱり競馬や麻雀の方が断然おもしろい。


・・・これが僕のパチスロデビュー戦だった。



しばらくして、僕はまたウエダさんに誘われパチンコ屋に行くことになった。

今度はマリーンではなく別の店だった。


会社帰りに車で連れて行ってもらった店の名前は覚えていない。


この日はウエダさんの他に、2人の先輩も一緒で、4人でパチンコ屋に行った。

1人は僕と出身校が同じでよく可愛がってもらった、経理課なのにチンピラのような容姿をした先輩。

もう1人は僕とウエダさんと同じ課で、僕といちばん歳が近かった、美人で巨乳の先輩。


ウエダさんと巨乳と僕はパチンコを打った。

チンピラはスロットコーナーでミリオンゴッドという何だかすごい荒いと言われている台を打つらしく、鼻息を荒げて僕たちの元から去っていった。


おそらく、この日が僕のパチンコデビュー戦だと思われる。


・・・というのも、パチンコを打ったときの記憶があまりなく、デビューがいつだったかハッキリしないのである。


小学生のときに親戚のおじさんに連れられてパチンコ屋に行って、一緒に千円打ったところで追い出されたという経験はあるのだが、それを除けば、たぶんこれが初めてのパチンコだったと思う。


結果は確かウエダさん2万円勝ち、巨乳はトントン、僕が2万円負けといった感じだった。

何の台を打ったかなど、全く覚えていない。


パチンコ好きの方には申し訳ないのだが、このときの僕はハンドルを握ってボケーっと当たりを待つだけという遊びに全く魅力を感じなかった。


一方、スロットを打っていたチンピラはというと、GODというすごい役を2回引いたらしく、ものすごい枚数のメダルを台の上と席の後ろに積んでいた。


僕がチンピラに近づくと、僕が負けたのを知っていたのか、「ウエダと巨乳には内緒な!」と2万円のお小遣いをくれた。


僕はチンピラに内緒でその2万円でパチスロを打った。あっさり負けた・・・。



次にパチンコ屋に足を踏み入れたのはそれから数週間が経ってからだった。

今度は会社の同期の連中と一緒に行った。


やはり僕はあまり乗り気ではなかったのだが、ギャンブルの誘いは断れない。


同期の連中はパチンコを打つと言うが、僕はパチンコはつまらないからパチスロを打つことにした。

先輩達に2回連れて行ってもらったおかげで、大体のルールは理解できた。


僕はなんとなく馴染みがあるからというだけの理由で、ルパン三世の絵が書いてあった台に座った。

不二子2という名前の機種のようだった。液晶のついている台を打つのはこれが初めてだった。


適当に回し始めると、程なくして液晶にボーナス確定の文字が出る。


今日はウエダさんはいない。店員や同期の連中に頼むのは恥ずかしいし、格好悪い。

自らの力で揃えるしかなかった。


僕は慎重に7図柄を狙った。

前に打った台よりは7図柄は見やすいように思えた。


タン。


第1リールに7が止まる。


タン。


第2リールにも7が止まりテンパイ。


最後は少し力が入った。


ドッ。


「ウヒョー。」 「待てールパーン!」 「SUPER BIG!!!」

「ダダッ、ダダッ♪ダダッ、ダダッ♪ダダッ、ダダッ、ルパンザサー♪♪」


僕は初めて自分の力で7図柄を揃えた。

それを祝福するかのようにあの名曲が流れ始める。


タッタラッター♪ターターター♪タッタラッター♪ターターター♪タラララー♪ラーラーラーラー♪

タララー♪ラーラーラー♪

(↑真っ赤なー薔薇はーのやつ)


次々と下皿に払い出されるメダル。

リズム良く流れるルパン三世のテーマ。



うわ。何これ・・・。

僕は生まれて初めて経験する快感を味わっていた。


そう、このときこそが僕がパチスロにハマり出すきっかけとなった瞬間だった。



結局この日、金額は覚えていないが、2万円程度は勝ったと思う。

もちろんその後の同期との飲み会で全部消えた。


だが、勝ったお金などはどうでも良かった。

僕は初めて自分で7を揃え、自分の力で勝利をもぎ取った。



――パチスロって楽しい。



幼い頃から何事においてもそうだった。

何でも自分でやらないと気が済まない。


何かできないことがあって、そのとき親に手を出されるのを極度に嫌った。


「自分でできる!!!」


正直かわいくない子だったと思う。


だが、それこそが僕の原点。

何事も、人にやってもらっては意味がないし、おもしろくもなんともない。


自分で考え、自分で予想し、自分の信じた馬に賭ける。

その結果、勝っても負けても競馬は楽しかった。


自分で牌を持ってきて、自分で打牌を選択し、自分の力でアガリきる。

だから麻雀は楽しいのだ。


パチスロもそうだった。

初めて自分で7を揃えたその瞬間、ボーナスと共に、僕がこの先ずっとパチスロにハマっていくであろうことも確定した。



・・・あれから20年・・・。



まさか、パチスロで食っていく未来が待ち受けているとは、


まさか、決して少なくない額の借金をパチスロで返済することになるとは、


まさか、結婚資金をパチスロで稼ぐことになるとは、


あのときの僕は思ってもいなかった・・・。



子供が生まれた今は、パチスロにかける時間はほとんどなくなってしまったけど、今後もずっと大切な趣味のひとつであり続けることは間違いないだろう。



思えば、幼い頃から人の台より設定は良くなかったのかもしれない。

会社を辞めてからは、追い銭に次ぐ追い銭。幾度となく苦しい思いをしてきた。


20代後半、負けたら終わり、なけなしの最後の千円で踏ん張った。

30を過ぎ、なんとか盛り返して下皿プレイ中だろうか。


これだけ耐えて回してきたんだ。そろそろ来るだろ。

フリーズ。ブラックアウト。逆回転。


逆転を信じ、歯を食いしばって生きてきた僕に、その一瞬の静寂のときが訪れることを夢見て。


リーチの人の人生のリールは今日もゆっくりと回り続ける・・・。




・・・はい。最後よくわからない締め方をしたところで、突然の昔話シリーズ、パチ&スロデビュー戦の話を終わりにします。


結局何が書きたいんだかよくわからない記事になってしまったんですが、まあなんというかご愛嬌ってことで。


それでは今日は、いつも通りなんだか変な記事を書くやつ、それに私の天敵、そしてガンダムと、よくわからない変なメンツで皆様のご来店をお待ちしております。


本日も楽しく麻雀打ちましょう。