納車整備
A様ご成約のSRを納車整備していきます。
基本的に24か月点検・整備と同じ内容になります。
当店で車検整備を行う際には同じ項目を行いますので、一部ご紹介したいと思います。
まずは基本のエンジンオイル漏れが無いか、燃料系統の漏れが無いかの点検。
今回は納車整備となりますので、オイル/フィルターは交換していきます。
車検整備の場合は、ご要望があればオイル交換を行いますが、基本的に別途となります。
エンジンオイルを交換する際にエア抜きを行いますが、同時にここで灯火機類に不備が無いかを点検します。
次にリヤセクションの整備を行います。
SRの場合ですと、スプロケットハブクラッチの分解/清掃/点検/給油が基本的なメニューです。
ハブダンパーに折損が無いか、ハブクラッチ側に段付き摩耗やサビが無いかを確認したのちに、ブレーキドラム内部の清掃、ホイールベアリングの点検を行います。
給油は、グリスガンを使っての給油では行いません。
手で直接塗り込みます。必要以上の給油は、ごみを呼び込むことになりますので
毎度指で直接塗布してます。
当店でつかっているグリスは、OMEGAの57番です。
ブレーキパネルからシューをいったん取り外し、残量の確認及び、シューのアタリ個所を
スコッチなどを用いてクリーニングしていきます。
また、カム部や軸受け部に耐熱性の高いシリコングリスを塗布して組みなおします。
当店ではWAKO'Sのスーパーシリコングリスを使用します。
この作業を行う事で、リヤブレーキの鳴きを極力出ないように配慮します。
ホイールハブ廻り、ブレーキ廻りの清掃と点検・整備が完了したら、次はスイングアームです。
こちらもグリスガンを用いての給油は行わず、いったん車体から取り外してクリーニングと
給油を行います。
理由はハブクラッチ廻りと同じで、余計なダストを呼び込むことを防ぎたいのと
グリスガンで給油した際にピポッドカバーのオイルシールからあふれ出てしまうのを防ぐためです。
ピポッドシャフト・ダストカバー・インナーシャフト及びニードルローラーベアリングへ給油しうます。もちろん全て指で刷り込むように塗布します。
ここで使用しているグリスはOMEGAの57番を用います。
リチウムグリスでも問題は無いと思いますが、耐水性と耐極圧性が経験的にOMEGAのグリスが良かったので、それ以降はOMEGA製を私は使用しております。
なぜスイングアームを取り外すかの理由として、ブレーキペダルカム部を給油したいからと言うのが、正直な所です。
このカムシャフト部が錆びますと、ブレーキタッチも悪くなるし、鳴きも止まらない。
おまけにシャフト受け部はフレームですので、ここが偏摩耗すると、どうにもならなくなるからです。
ここで使用するグリスもOMEGAの57番です。
ブレーキペダルカムも分解して、清掃・点検・給油を行います。
ここまで終えたら、普段の手入れでは手の入らないフレーム内側やスイングアームピポッド部周辺をきれいにワックスがけしておきます。
ワックスをかけておくと、その後の手入れが格段に楽になるからです。
全ての作業を終えたら、スイングアーム・ホイールを元へ戻します。
リヤサス受け部は、上下ともにグリスアップします。SRであれば、マウントがゴムブッシュですので、当店ではWAKO'Sのラバーグリスを塗布しています。
モノサスの車種でベアリングや、カラーで支持している車種の場合は、ベアリング部はOMEGAの57番、カラー内部のボルトが貫通する個所は、WAKO’Sのマルチパーパスグリスもしくは、OMEGAの22番を目的別に使い分けています。
アクスルシャフトを締め付ける前にチェーンのテンション調整を行い、清掃・給油を行います。
当店で使用しているチェーンルブは、Viprosのグレサージュです。
レイキッシュは要望があれば塗布します。「飛び散り」はレイキッシュの方が圧倒的に無いので、良いのですが、雨天で速攻流れ落ちてしまいますので、街乗りメインの方でしたら
グレサージュの方が良いのではないかと思い、そうしてます。
これでリヤセクションの点検・整備は以上です。
それではまた。