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【La Seine】セーヌ川  0011 ジャクリーヌ・フランソワ

2017.12.16 11:37

貧乏でしたから、レコードなんて買いません。
 
カセットテープやCDやDVDも、なかったのに、
FM放送の始まる1970年頃まで、
中波のラジオは、
歌謡曲やクラシックや浪曲でなければ、
童謡しか、放送しませんでした。
 
テレビもありませんでしたから、 
ジャズやシャンソンは、『明星』や『平凡』の付録の、
分厚い歌集に、楽譜が見つからなければ、往生しました。
 

日本の、ほとんどの男性は、
フランスを、鼻であしらっていました。
戦わずして、ドイツに負けましたから、女の国です。
 
文学や音楽や科学しか知らない柔和な男性は、
ドイツ人やロシア人でなくても、パリに憧れました。
 
私は、パリのせせこましい街並みや、
犬のうんこだらけの公園が、苦手でしたが、
死に損ないの男ばかりの日本と比べれば、天国でした。
 

この歌は、フランスの平野を流れるセーヌ川を、
自由で気まぐれな女心に喩えています。
 
フランスは、ヨーロッパ文化の中心でしたから、
パリの女性の、ノンシャランな生き方は、
貧乏なドイツ人やロシア人や日本人に、
真似のできるものでありません。
 
インディアンを殺して、黒人奴隷をこき使わなければ、
豊かになれなかったアメリカ人も、
遠く及びませんでした。
 

この歌は、地名が一杯ですから、
地理の勉強を怠けた人は、歌詞の意味がわかりません。
 
女心が、フランスを流れて、パリの街を作ったと、
歌っています。