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地元中学生に地方での起業に関する講演をした話

2023.02.26 04:27

先日、依田窪南部中学校の2年生向けに講演させて頂く機会がありました。

依田窪南部中学校ではアントレ学習をされていて、地元で起業している事業者の話を聞きたいという事で、最近飲食店を開業した私に声がかかりました。

アントレ学習というのは、起業学習のことです。

社会人向けにはセミナーなどがあるようですが、中学生でこういう学習をすると、社会の仕組みを理解する役にも立つのはもちろん、将来の職業を考える上で幅が広がりそうな取り組みで良いなあと感心しています。


これからの社会を担う中学生にお話するという、とても重大な責任ある機会ですから、冬季で暇なお店を良い事に、何日もかけて話す内容を練って練って・・・中学生に伝わる言葉を使わなくちゃとか、興味を引く内容にしなくちゃとか。色々考えました。


当日は、授業の一コマという事で35分程度の短い時間での講演でした。
短時間でしたし、興味を引く内容を選んだこともあって、聞いている生徒さんたちは、暇そうだったり、よそ見していたり、みたいな感じは無く、話に集中してくれているかな、とは思っていましたが、少し難しい内容がどこまで伝わっているか少し不安に思っていました。


で、講演から少し期間を経て、先日生徒さんたちの感想文を頂くことができました。

まさか、生徒の皆さんの感想文まで頂けるなんて。

会社員時代には経験できないような経験をすることが出来て、大変感動しました。


肝心の感想文を見る限り、伝えたい事がしっかり伝わっていた事に安心しました。

「アントレ学習はもちろん、将来においても参考になる」とまで書かれており

『あらら、中学2年にもなるとお世辞も上手で。』なんて思ったら

「お世辞じゃなくとても面白かった」という感想まであったりして。

それはそれは、ニヤニヤしながら全て読ませて頂きました。

生徒の皆さん、教職員の皆さん、こちらこそありがとうございました!

今後も私が役立つことがあれば、どんなところでも協力していきたいと考えています。


さて、せっかくですので講演内容についても触れておきたいと思います。

タイトルは

「多様化とシンギュラリティの時代、地方で起業する理由、起業を成功させる手法」

という無駄にビジネスっぽいカッコつけたタイトルでお話させてもらいました。

田舎の古民家カフェを営むおじさんにこんなお話をされて、生徒さんも先生方も困惑だったかもしれません。


凄く簡潔に書くと、

自分自身が、過疎化の進む地方で飲食店の起業と言う選択をした理由を伝えるとともに

これからの激動の時代を考えると、地方で起業をするという選択が「アリ」だよ。とお伝えするものでした。


もう少し講演の内容を紹介しておきますと

これから社会は大きく転換期を迎えると思っています。

キーワードは「多様化」と「シンギュラリティ」です。


キーワード:多様化

令和の時代に入り、価値観の多様性に寛容な時代になりました。

みんなが同じ価値観で同じ理想を共有した時代から、各個人の価値観を表現し実現することが可能です。

都会で生活する事を理想とするもよし、田舎暮らしを理想とするもよし。

金持ちを目指すもよし、半自給自足のような暮らしをするもよし。

人それぞれの価値観に合わせた人生を送ることに対しての否定的な見方は無くなっています。


ネットサービスの発展により、都市と地方を比べて、物流や情報の格差は減りつつあります。

また、コロナ禍がテレワークのような新しい働き方の可能性を見せてくれたことにより地方には仕事が無い、という欠点すらも解消し始めています。

こういった背景が、結果的に地方を見直すきっかけになっていると思います。


キーワード:シンギュラリティ

人間の知能をAIの知能が超えることを「シンギュラリティ」と呼びます。

その時が確実に近づいています。


今現在、2023年初頭に流行しているChatGPTは世界にインパクトを与えました。

言語能力が相当高く、人間よりも質問の意図をくみ取って論理的に適切な答えを返してくれます。

こういったツールは、今の社会システムを維持しつつ取り込むことは難しいでしょう。

かといって存在を無視することも出来ないと思います。切り離して無視したりできない以上、社会システムを変えながら取り込むことになると思います。

業界により異なるでしょうが、ビジネスの現場では積極的に利用する企業が勝ち残るのは間違いありません。

そして一般的に言われている通り、AIにより不要となる職種が確実に出てきます。

現実として、これからの数十年間は失われる職種の、抵抗、規制、緩和についてが話題となり続けると思います。


そして、多様性とシンギュラリティ、二つのキーワードを受けて、

こんな時代に今後就職を考える学生たちに今伝えたい事として、

今いるこの地域で、起業をするという選択をしても良いのではないかということ。

私のお店の考え方とか、実例を紹介しつつ、

起業は夢がある。でも難しい。

ITエンジニア時代に学んだリスク管理のお話を交えて、起業は難しいけど、

失敗を避けるための工夫をすることで、起業を成功させることも出来ると思うよ。

と言うような講演内容でした。


感想文を見ても概ね好評いただける講演だったのかなと思います。

需要があれば、どこでもお話させて頂きますので、ご連絡くださいね。

有名企業のビジネスマンでもなければ大学の権威でもない、田舎の古民家カフェの店主で宜しければ。


今回はここまで。