熱いものに触れたときの反射
こんにちは、神保町、御茶ノ水のパーソナルジムトレーナーの井上です。
本日は反射の一部について説明します。
反射について説明する前に脊椎の構造からみてみましょう。
脊髄は脳の下から脊柱の2/3ほど下がったところまで伸びています。
小指程度の太さの非常に細長い神経線維の束で、脊柱の中を通っています。
この神経線維は一定の間隔を置いて左右対称に枝分かれし脊柱の外にでています。
これを脊髄神経といい全部で31本あります。
この脊髄神経は感覚神経と運動神経線維からなって身体中に伸びています。
働きとしては
「指示や情報伝達」
「脊髄反射」
の2つがあります。
少しこの2つの特性について説明していきましょう。
①指示や情報伝達
この働きをトレーニングで例えるとバーバルやダンベルを上腕二頭筋で持ち上げるとします。脳からの運動指示は、必ず脊髄を経由して脊髄神経に指示を送ります。そして運動神経が筋肉に指示を与えバーベルを持ち上げます。
中枢神経から末梢神経に伝わるルートになります。
②脊椎反射
皮膚や筋などの痛みや触感、熱さ、寒さ、振動、圧迫などの知覚は感覚神経から脊髄神経を通り脊髄から脳に情報が送られます。これは①と違って末梢神経から中枢神経に伝わるルートになります。
引用元https://study-z.net/100186334
脊椎反射は脳まで情報が伝えられることなしに、つまり脊髄レベルで処理される無意識のうちに行われる運動のことをいいます。
たとえば、熱いものなどに誤って触ってしまうとすぐに手を引っ込めると思います。
あれは熱いという刺激が脳に伝達される前に脊髄が筋肉に指令を出し手を引っ込めさせているのです。
皮膚
⇩
感覚神経
⇩
脊髄
⇩
運動神経
⇩
筋
という経路で情報が伝達されます。
これに関しては脳がどこにもかかわっていません。
脳に伝わってから動くようでは大きな火傷につながるでしょう。
転んだ時にとっさに手が出るのも同じ理屈です。
今説明したのは脊髄反射の中でも逃避反射と呼ばれる現象です。
逃避反射は脳による判断と指令を待たずに瞬時に危険から回避する必要があるときに使われる身体の防衛システムになります。
※もし脊髄のある部位が損傷すると指示や情報を伝えられなくなるので損傷を受けた部位よりも下位の身体各部は脳との連絡が取れなくなり、運動と感覚に障害が起こります。それゆえ脳に近い脊髄の損傷ほど身体への障害は重くなります。