韓国のゴリ押しで消える「日本海」“東海2000年の歴史”はウソ
日本海での共同訓練、韓国「東海」に変更要求
「日本海」の呼称を「東海」に変えようとゴリ押しする韓国だが、旭日旗と同様に、こんな無理筋の主張ばかりする国と有事の際に軍事協力などできるのだろうか?
北朝鮮による度重なるミサイル発射を受けて、「竹島の日」の2月22日、日米韓3か国によるミサイル防衛共同訓練が日本海で実施された。
これについて、ハワイにあるインド太平洋軍司令部の広報は、米海軍イージス艦の指揮の下、海上自衛隊と韓国海軍のイージス艦が「in the Sea of Japan(日本海で)」弾道ミサイル防衛訓練を行ったと発表した。
これに対して、韓国軍合同参謀本部は翌日、「日本海」の表記を「東海」に訂正するよう米軍に要求。野党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)代表も、「よりによって日本が『竹島の日』とする日に『日本海』で行ったとされる共同訓練に、韓国軍が参加したのは、まさに屈辱的惨事だ」と尹錫悦(ユン・ソンニョル)政府を糾弾した。
インド太平洋軍司令部の広報文には「この演習は、我々の集団防衛力と相互運用性を高め、同盟関係の強さを示すものだ。この三国間の協力は、互いに価値観を共有し、地域の安定に挑戦する人々に対する我々の決意を示している」とある。しかし韓国側の「日本海」訂正要求に「価値観の共有」や「同盟関係の強さ」など微塵も感じられない。
日本海を「日本と韓国の間の海域」?
インド太平洋軍司令部の広報文は28日現在、「日本海」のままで変更されていないが、過去には韓国側の抗議によってしばしば「日本海」の表記が変えられたことがあった。
例えば去年10月、米空母ロナルド・レーガンを中心に日米韓3か国が日本海で行った海上演習は、韓国側の抗議を受けて「日本海」がWaters Between Japan and the Republic of Korea(日本と韓国の間の海域)に変更された。
これとは反対に去年9月、米艦合同演習が行われた場所が「東海」と表記された際には、今度は日本側が抗議し、Waters east of the Korean peninsula(朝鮮半島の東の海域)に訂正させたこともある。
いずれにしても「日本海」表記をなくして「東海」に変えさせようとする韓国のゴリ押しが、米軍広報をめぐる毎回のルーティン(決まり事)のような攻防となっているわけで、間に立つ米国はいい迷惑というしかない。
「2000年前から使われてきた“東海”」というウソ
今回もまた「反日煽動」を専門とする徐坰徳(ソ・ギョンドク)教授が「“東海”表記は歴史的に2000年前から使われている」とSNSで主張し、「中央日報」がその主張をそのまま転載している。
しかし、この「2000年前から使われてきた“東海“」という言い方こそ、漢文の文献資料を読んだことがないか、あるいは読めないことを示す無知・無恥の最たる証拠であり、韓国側のこの種の主張は、日本の学者によって完璧に論破されている。
以下は、島根県「Web竹島問題研究所」所収の下條正男拓殖大学国際学部教授の「実事求是第57回・日本海は世界が認めた唯一の呼称」を参考にした。
「東海」は中国からみて東の海のこと
韓国側が「二千年前から東海と呼ばれていた」とする根拠は、『三国史記』の「高句麗本紀」に、高句麗の始祖・東明聖王が建国の地とした場所として「東海の濱(ほとり)」という記述があるからだという。
2000年前といえば、楽浪郡や帯方郡など漢の四郡が置かれ、原三国時代または三韓(弁韓・辰韓・馬韓)時代と呼ばれた頃だが、建国(紀元前37年)初期の高句麗は楽浪郡の北側、旧満州の間島あたりの狭い地域に位置し、その東側の半島北部から沿海州にかけては「濊貊(わいはく」や「沃沮(よくそ)」と呼ばれた異民族の地域が広がっていた。つまり高句麗は日本海に接していなかったのである。それでは「東海のほとり」の東海とは何かと言えば、中国から見た東の海、渤海や黄海のことだった。
さらに韓国は「広開土王碑文」(414年建立)に出てくる「東海」も日本海のことだと主張するが、ここでは「東海賈」という使われ方をしている。この「賈」とは「商賈」=商人のことで、「東海地方の商人」という意味だ。つまりここに出てくる東海も中国の東海を指すものと見られている。
韓国の「東海」は半島沿海部を指すだけ
さらに三国史記には「沃沮」の東、つまり日本海は「滄海」だ、という記述がある。「滄海」とは「青い広い海」として今でも使われる一般名詞だが、韓国では古くから朝鮮半島沿海部を「東海」とよび、その先の外洋は「滄海」と呼んで区別していた。
つまり日本海を東海と呼んできたという「2000年の歴史」などどこにも存在しないし、その証拠となる文献資料もない。漢籍の文献を読めない人々には、日本人が丁寧に説明し、彼らの誤りを正していくしかないのかもしれない。