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脾活の大事

2018.05.11 10:48
受納~腐熟

飲食物を消化します。

清濁泌別

体にとって必要なもの【清】と要らないもの【濁】に仕分けます。


昇清~降濁

清の内訳は栄養分と水分です。

気と血と津液に化され上焦に昇ります。

濁は大小便として体外に排泄されます。

運化

上焦に昇った清は心肺の働き(宗気)によってあらゆる細胞、組織、気管、臓腑、経絡、四肢、百骸に巡らされ潤し養い活動力を与えます。


統血

経脈がこれを担うルートになりますが、漏れでないように強さを与えています。


これらの働き一切合切を脾臓とします。

意智

清濁泌別は体と心の両面で行われています。

体の清濁泌別が腐熟つまり消化であるのに対し、心の清濁泌別とは思慮です。

善悪の分別、物事の分別など、これを【意智】とします。

脾臓が正常であれば、物事の分別がつきます。

満腹になると眠気が襲ってきたり頭が働かなくなりますよね。

消化にエネルギーが取られて頭に気が回らなくなるからです。

病因

ということで、脾臓の働きが失調する原因(病因)としては、


消化、吸収、排泄に余分なエネルギーを費やさなくてはなりません。

脾臓がくたびれます。


中世の名医『岡本一抱』の説です。

脾胃は石臼の上下の石です。

四肢は石臼を動かす取手です。

取手をしっかり回せば石がよく動き米や豆を細かく挽くことができます。

四肢つまり手足をよく動かせば消化が良くなります。

運動不足は消化が悪くなります。

思いを過ごせば脾を傷ります。


このような経過を辿って脾臓が失調すると、臓腑経絡学説によって脾経が変動して、まつわる病症が現れます。


湿痰

そのほとんどに【湿痰】という病理産物が関連します。

一連の脾臓の働きが正常に行われていれば脾経はスムーズですが、失調するとスムーズでなくなります。

サラサラがネバネバすると考えてください。

脾臓という働き=気が停滞します。

東洋医学の大原則、気が滞れば水が滞ります。

水分は流れているうちは津液として体を潤し養い活動力を与えますが、停滞すると湿邪に豹変し、体を害います。

湿邪は煮詰まると痰を発生させるので合わせて【湿痰】とします。

痰がよく出たり、便器に大便がついて取れにくくなったり、小便が泡立ったり、口が粘ったり、汗がベタベタしたりします。

着痺という運動器疾患も特徴的です。


治療

当然治療は、脾経の虚実を弁え補瀉調整し生命力を強化します。


養生が大切です。

湿痰は難病の元

大原則の続きです。

水が滞れば血が滞ります。

湿痰はやがて瘀血の温床となり邪熱を発生させます。

この邪熱が1ヵ所に集中砲火するとがんへと発展します。

そして火は風を生むの法則に従い邪熱から発生した風邪によってがん細胞が増殖し転移します。


気滞→湿痰→瘀血→邪熱→風邪

肩こり等の感覚異常→内臓の機能異常→器質的な変性→難病


男子も女子も脾活が大事です。