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【後編】東京五輪メダリスト山西選手の“陸上の原点”は長岡第三中にあり!

2023.03.08 01:00

長岡京市出身の夢を叶えた人や、長岡京市を応援してくれる企業のみなさんが「夢サポーター」となり、イベントなどを通じて市民のみなさんに夢と活力を届けてくれる市制50周年記念プロジェクト。そこへついに、世界の第一線で活躍するあの方が来てくれました!
東京オリンピックの陸上・男子20km競歩で銅メダル、世界陸上2019・2022の同種目で見事二連覇を果たした山西利和選手です。
センス長岡京では、またとないこの機会に山西選手の独占インタビューを実施。前編では、中学時代をよく知る恩師や親友から事前に伺ったエピソードに触れながら、陸上人生の原点に迫りました。

今回後編では、「トークライブ&ミニ競歩対決」の模様をお届けします♬


イベント直前、中学時代の恩師とまさかの再会!突撃取材

インタビュー(記事は前編へ)を終えた山西選手が、この日のメインイベント「トークライブ&ミニ競歩対決」が行われる体育館へ……と、その前にある方との再会が!

中学3年のときの担任だった阪本先生が会いに来てくれたのです。5年ぶりの再会とは思えないほど和やかな雰囲気で話が弾み、山西選手が持参したオリンピックと世界陸上のメダルもお目見え。「すごいなぁ、頑張ったなぁ」と阪本先生、とっても嬉しそうでした。

せっかくなので、阪本先生にも少しお話をうかがってみました。山西選手はどんな生徒だったのでしょう。

「休み時間に数学の問題を解いているようなマジメな子でしたよ。口数は少ないほうでしたが、ちゃんと自分の考えを持っていました。中学卒業後も、私が長三中に勤めている間は年に1、2回、顔を見せに来てくれましたね。
競歩を始めたと聞いて、山西君らしいなと思いました。競歩って決められたルールの中でいろいろな工夫が必要となる競技なので、探究心旺盛な山西君に向いているなと。なので、その後の活躍にびっくりしたというより、やっぱりという感じでしたね」

休み時間に数学の問題を解く……また一つ、山西選手の知られざる一面が明かされました。阪本先生、突撃インタビューに快く応じてくださり、ありがとうございました!


長三中・後輩たちの直球質問を受けて本音トーク! 

そうこうしているうちに、イベント開始時刻に。山西選手をひと目見ようと体育館に集まった人の中には、先ほど再会した阪本先生や、陸上部の恩師・今西先生の姿もありました。

中小路市長らによる「令和4年度長岡京市スポーツ賞(スポーツ特別顕彰)」の授与式に続き、いよいよトークライブがスタート!

山西選手と陸上部で同じ時を過ごした市職員2名が聞き手となり、市民から寄せられた質問を交えながらトークが展開されました。その中から、長三中陸上部員のみなさんと山西選手のQ&Aシーンの一部をご紹介しましょう。

Q.中学生時代の夢は何でしたか? 

 A.これといった夢はなかったんですよ。普通に進学して就職して、普通の人生を送るんだろうなと思っていました。当時の僕に今の状況を伝えたらびっくりするでしょうね(笑)。

 Q.今までで一番印象に残っている試合は? 

 A.高校2年のときに初出場したインターハイです。なんとか2位に入れましたが、緊張してブルブル震えたことを鮮明に覚えています。大一番で実力を発揮するのってすごく難しいですね。なかなか平常心ではいられないものですが、最後は自分を信じて、開き直るしかありません。

Q.陸上をやめたいと思ったことはありますか? 

 A.陸上を始めて間もない頃など、結果がともなわない時期はネガティブになりがちでしたね。結局やめなかったのは、中途半端にやめてしまったら絶対に悔いが残るだろうし、そんな自分はカッコ悪いと思ったから。基本的に負けず嫌いなんでしょうね。
目標を決めたときの自分を思い出して、前向きになれることを探るようにしました。僕の経験上、考え事をするなら明るい時間帯がおすすめ。夜じゃないほうがいいです。

自らを「負けず嫌い」と語った山西選手。終始落ち着いた話しぶりなので、ちょっと意外でしたが、最後にその片鱗が見えてきます! 


思わず本気モードに!? 市民参加のミニ競歩対決

イベントの締めくくりは、山西選手と市民のみなさんによる「ミニ競歩対決」。はじめに山西選手から競歩の基本ルールの説明がありました。

ポイントは2つ。①常にどちらかの脚を地面に付けていること=走らない。②前に出した脚が地面に付いた瞬間から地面と垂直になるまでは、膝を伸ばした状態で歩かなければならない、というものです。

対決は、参加希望者と山西選手がよーいドンで体育館をぐるりと1周し、先にゴールしたほうが勝ち。参加メンバーを入れ替えて、怒涛の3本勝負が始まりました!

世界一のアスリートと勝負できる絶好の機会とあってか、みなさん真剣そのもの。先行逃げ切り型から追い込み型まで、それぞれのプレースタイルで山西選手に挑みかかります。中には、“歩き”から“走り”に転じていそうな方も(笑)。

よもや山西選手の敗北か!と思われたその瞬間、負けず嫌いの本性に火がついたのでしょうか。トップと半周近くの差を一気に縮め、山西選手が劇的勝利を飾りました〜!! 当たり前なのですが、やはり超人的な速さでした。

ちなみに山西選手の20km競歩の自己ベストは、1時間17分15秒。これを時速に直すと、約17.09km/hになります。シティサイクル(いわゆるママチャリ)の平均的な速度は14km/hですから、自転車でも山西選手に勝つのは難しいということです。 

そんなすごい人と競い合えたなんて、参加者さんたち、ちょっとした自慢ですよね。近い将来、山西選手がキラキラ輝くメダルとともに再び凱旋してくれることを願って、これからも応援を続けていきましょう!