腹膜とアレルギー
腹膜は、内臓全体ないし一部を覆っている薄い半透明の膜です。
腹膜で囲まれた閉鎖空間を腹膜腔といいます。 腹部臓器の動きを滑らかにし、保護する作用があり、腹腔には約50~100mlの液があります。
これが潤滑油のような働きをして感染症の防禦機構となっています。この機能を知るとお腹の中って内臓があるだけでなく、このような膜で保護されているというのが良くわかります。
そして呼吸によって内臓が腹部内を移動することで起こる内臓と内臓の擦れから保護する役割があることがわかります。
そしてこれが細菌感染の防御機能も担っているなんて凄いですよね。
お腹には免疫とも関係のある感染の防御システムがある訳です。腹膜にはリンパ管も多数分布しています。横隔膜は呼吸を行うのに不可欠な筋肉ですが、その周囲にはリンパ管網が多くあり、腹腔内の液量を一定に維持したりしています。
つまり呼吸と共に水の流れを制御し、免疫機能と関係があるということなんだろうと思います。
そのお腹に圧痛があらわれるということはどういうことかを考えていく必要があります。
私はアレルギーがこの腹部の緊張と大きく関係あるのではないかと以前から思っています。なぜなら、アレルギー症状を示す人の殆どが腹部の緊張を伴うからです。
なぜそうなるのかを仮説でも良いからできたらな~って思っています。
腹膜や大網の機能って全身の免疫機能と関係しているように思います。
また自己免疫によって起こる炎症のバロメーターにもなるのではないかと思います。
東洋医学は腹診を重視しますが、先人達はそういうことを何となくわかって行っていた可能性は否定できません。
だから風邪は万病の元、(炎症は万病の元)と言ったのではないでしょうか?
この動画の方もアトピー性皮膚炎があり、顎関節や肩肘腕の痛みやシビレがあるとのことでした。
最初に狙うのは、顎や首肩ではなくお腹のこの緊張です。
順番が大事なんですよね。
単純に顎関節の痛みがあるから足を狙うなんていうのは芸がなさ過ぎる。
顎関節と足は関係があるんですが、それも思えない人は観察不足とも言えます。
お腹に炎症反応があります。炎症反応と言っても実際に炎症を起こしているという訳ではなく炎症を起こしやすい状況にあるということだろうと思います。
圧痛には左右差があり、お腹だけでなく足まで緊張が起こっています。
左側の圧痛が右よりも強くでています。
左足の前側にも緊張が起こっています。
圧痛だけでなく、くすぐったい感覚が起こります。
アレルギー疾患のある人は、お腹から大腿部にかけてくすぐったいような圧痛があることが多いです。
お腹を押さえて気持ち悪い感覚ではなく、くすぐったい痛い感覚があるのが特長みたいです。
こんな機能があるお腹に圧痛があれば、腹膜や大網などの膜、リンパ管にも影響を与えていると予測できます。
お腹の調整を行うと一瞬で腹部の圧痛がなくなり、肩首の緊張が緩んできました。 症状の緩和の治療をする前にこの処置をしておくことでより明確な治療を行うことができます。